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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 III 不妊症

【男性不妊】64.精液検査で無精子症と判明した患者です.AID以外の可能性のある治療法を望んでいます.

著者: 片寄治男1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.546 - P.547

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1 治療の概説

 射出精液中に精子が存在しない症例を無精子症(azoospermia)と診断するが,遠心処理により精子が見出せる場合はcryptozoospermiaといい区別される.無精子症は,精管などの通過障害が原因となる閉塞性無精子症と,精巣における原発性の造精障害である非閉塞性無精子症に大別される.

 閉塞性無精子症は幼少時の鼠径ヘルニア術後や外傷が最も頻度が高く,ほかに精巣上体炎や先天性精管欠損症あるいはYoung症候群(先天性精巣上体精子通過障害)が原因として指摘されている.治療は泌尿器科専門医によるが,自然の排精を期待するには精路再建術が必要である.精管精管吻合術,精巣上体精管吻合術が顕微鏡下で行われ,開通率,精液所見改善率,妊娠率ともに良好な成績が得られる.しかし,実施可能な施設は限られているのが現状である.以前提唱された人工精液瘤は現在ほとんど行われなくなっている.精路再建が不成功に終わった場合は,経皮的精巣上体精子回収(percutaneous epididymal sperm aspiration : PESA)などにより精子を回収し,ART(ICSI)が行われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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