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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 IV 感染症

【尖圭コンジローム】75.外陰部の不快感,掻痒感を訴えている妊娠8週の未産婦です.会陰部に鶏冠状となった尖圭コンジロームを認めます.

著者: 朝野晃1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター産婦人科

ページ範囲:P.576 - P.577

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1 診療の概説

 尖圭コンジロームは,主にヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma virus : HPV)6,11型の感染によって生じる性行為感染症の1つである 1).女性では外陰,腟前庭,腟,子宮腟部,尿道口周囲,肛門周囲に好発し,鶏冠状・乳頭状の腫瘍を形成し,巨大化することがある.感染後約3か月で肉眼的に認められるようになるが,症状は無症状であることが多い.ときに掻痒感を訴えるが,多くは陰部・肛門周囲に疣状の腫瘤を自覚し,受診する.診断は肉眼的にほぼ可能であるが,鑑別診断として腟前庭乳頭腫(hairly nymphae),ボーエン様丘疹症,扁平コンジローム,伝染性軟属腫,外陰癌などがあり,生検し,組織診断をすることが必要である.

 治療は,手術療法では外科的切除,電気焼灼,レーザー蒸散,液体窒素による凍結療法が行われる.また,薬物療法には,5─FU軟膏,ブレオマイシン軟膏,ポドフィリン,3塩化酢酸溶液,イミキモドクリーム,インターフェロンなどが用いられることがあるが,いずれも保険適用はなく,十分なインフォームド・コンセントのもとに慎重に治療する必要がある.

参考文献

1) 性感染症診断・治療ガイドライン2006.尖圭コンジローマ : 日本性感染症学会誌17 : 48-50,2006
2) 福島道夫,島野敏司,山川 康,他 : 妊娠中の尖圭コンジローマについて.産婦の実際38 : 423-426,1989
3) 山本裕之,工藤隆一,島野敏司,他 : 妊娠に合併したコンジローマの経時的変遷.産と婦57 : 151-155,1990
4) Silverberg MJ, Thorsen P, Lindeberg H, et al : Condyloma in pregnancy is predictive of juvenile-onset recurrent respiratory papillomatosis. Obstet Gynecol 101 : 645-652, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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