文献詳細
今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション
ここが聞きたい105例の対処と処方 IV 感染症
【性器ヘルペス】76.初感染と思われる外陰ヘルペスを認めた妊娠30週の妊婦です.病変は広範で激痛があります.
著者: 朝野晃1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構仙台医療センター産婦人科
ページ範囲:P.578 - P.579
文献概要
性器ヘルペスは,性感染症の1つであり,単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)1型,2型の感染により生じ,日本では初感染の場合,1型感染が多いといわれている.性器ヘルペスは,急性型(初発型)と再発型に分けられる.急性型性器ヘルペスは感染後2~10日後に主に外陰部に小潰瘍,小水疱が多発し激痛を伴う.また,排尿障害,発熱,全身倦怠感を伴い,鼠径リンパ節の腫脹を認め,ときに頭痛を伴う.再発型は,急性型と比較して軽症であるが,数か月から数週間の頻度で繰り返し出現し,外陰部に数個の水疱,潰瘍が出現する.
診断は症状と視診によりほぼ可能であるが,確定診断にはウイルスの同定が必要であり,当科では蛍光抗体法により抗原を検出している.一般的にHSV2型に感染した場合,再発の頻度が高いことが知られている.また,初感染か再発型かを判断するためには,血清抗体の検査が必要である.
参考文献
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