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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 IV 感染症

【淋病(淋疾)】79.頸管炎による膿性帯下を認め,培養検査で淋菌が証明された患者です.

著者: 古堅善亮1

所属機関: 1順天堂大学附属静岡病院産婦人科

ページ範囲:P.587 - P.589

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1 診療の概説

 淋疾はグラム陰性球菌である淋菌(Neisseria gonorrheae)による感染症である.淋菌の性状は塗抹標本では細胞内に腎臓型の双球菌として認められる.高温にも低温にも弱く,炭酸ガス要求性なので培養がやや難しい.淋菌感染症はヒポクラテスも記載しているほど古典的な性感染症であり,女性では性器クラミジア,ヘルペス感染に次いで多くみられる 1).特に20歳代前半や,10歳代後半の若年層に感染者が多い.ほとんどが性行為によって感染し,1回の性交で約30%感染すると考えられている.

 男性では淋菌に感染すると2~7日間の潜伏期間の後に排尿痛,尿道分泌物の増加などの尿道炎症状が出現する.さらに上行し精巣上体炎となり,疼痛,発熱,陰嚢腫大をきたし,男性不妊症となることもある.また,肛門直腸炎(肛門性交による)をきたすこともある.

参考文献

1) 熊本悦明,他 : 日本における性感染症(STD)サーベイランス-2002年度調査報告.日性感染症会誌15 : 17-45,2004
2) 南 邦弘,他 : 淋菌性子宮頸管炎の症状に関する検討.日性感染症会誌14 : 117-120,2003
3) 田中正利 : 淋菌感染症,性感染症STD.南山堂,pp115-127,2004
4) 日本性感染症学会(編) : 性感染症・診断・治療ガイドライン2006.日性感染症会誌17(suppl),2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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