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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 V 腫瘍

【子宮筋腫】81.超手拳大の子宮筋腫がある20歳代後半の患者です.手術を勧めましたが,未婚でもあり,月経困難症もあまり強くないので手術を受けたくないといいます.

著者: 林卓宏1

所属機関: 1札幌医科大学産婦人科

ページ範囲:P.592 - P.593

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1 診察の概説

 子宮筋腫は外来患者の約8~10%を占める,婦人科領域では最も頻度の高い良性疾患である.治療を必要としないものも含めると,全女性の約3割に認められるとされている.40~49歳を好発年齢とし,発生部位は漿膜下・筋層内・粘膜下および頸部筋腫に分類されている.子宮筋腫の臨床症状は,過多月経,月経困難症,不正性器出血とこれらに随伴する鉄欠乏性貧血,また腫大化につれて排尿・排便障害,腹部膨満などを認める.

 診察の進め方としては,まず内診により子宮筋腫の全体的な把握と同時に子宮の可動性を確認する.同時に,悪性腫瘍を否定するために子宮頸部および体部がん検診を実施する.経腟もしくは経腹超音波により子宮筋腫の大きさと数,位置を確認する.ときに粘膜下筋腫が疑われた場合は,バルーンを経腟的に子宮体部に挿入して数mlの生理食塩水を注入し,粘膜下筋腫の輪郭を描出し,子宮内腔への突出具合と正確な計測を可能にする必要がある.子宮卵管造影や子宮内視鏡による観察も,粘膜下筋腫には有用な検査である.MRIは子宮と子宮筋腫との関係をより確実に把握することが可能な診断法である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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