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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション

ここが聞きたい105例の対処と処方 V 腫瘍

【子宮筋腫】82.手術前に筋腫を縮小させる必要のある患者です.

著者: 林卓宏1

所属機関: 1札幌医科大学産婦人科

ページ範囲:P.595 - P.595

文献概要

1 診察の概要

 子宮筋腫の手術適応としては,(1)子宮筋腫の大きさが手拳大以上,(2)大きさにかかわらず過多月経や不正性器出血により貧血をきたす症例,(3)月経困難症などの臨床症状をきたす症例が対象となる.ここで(2)のような症例は,貧血を改善させてから手術療法を勧める必要がある.また,特に粘膜下筋腫をレゼクトスコープで切除する場合は,手術前に筋腫を縮小させるほうが手術を容易に遂行することができ,手術時間の短縮から水中毒などの術中合併症も少なくてすむ.以上より,粘膜下筋腫の術前処置として筋腫を縮小させることは意義のあることと考えられる.ただし,Gn─RHアゴニスト投与中に突然大出血することもあるので,投与中は注意して経過観察する必要がある.

 また,腹腔鏡による子宮筋腫核出術においても子宮筋腫を縮小させることは,手術をより容易に実施可能となり,術中出血も少なくてすむことが期待できるため,同様に意義があると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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