icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 V 腫瘍

【卵巣腫瘍】86.外来管理を続けている卵巣癌患者です.CA125が正常上限の2倍以上の値を2回確認しました.

著者: 吉崎陽1

所属機関: 1岩手医科大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.603 - P.605

文献購入ページに移動
1 診療の概説

 卵巣癌の年齢調整罹患率は1975年に女性人口10万当たり3.6であったが1998年には6.5となり,乳癌と大腸癌・直腸癌と同様に増加している 1).2004年の人口動態調査による死亡数は4,420人,年齢調整死亡率は4.5と,死亡数・死亡率ともに増加傾向にある 2).卵巣癌は発生の予防法と早期発見の方法が確立しておらず,発見後の確実な初回治療と,再発・再燃の的確な発見を目的とした理論的な管理,さらに再発腫瘍に対する適切な治療が予後の向上に有用である.卵巣癌患者の管理は最近エビデンスが集積され,日本婦人科腫瘍学会により「卵巣癌治療ガイドライン」が上梓され,主要な卵巣腫瘍については理論的な裏づけに基づいた合理的な管理が行われるようになった 3).ここではこのガイドラインに沿って記載する.

参考文献

1) 津熊秀明,味木和喜子,大島 明 : 日本のがん罹患率と推移(大島 明,黒石哲生,田島和雄(編) : がん・統計白書-罹患/死亡/予後-2004).pp97-160,2004
2) 厚生労働省統計表データベース : 調査年(度): 平成16年調査名 : 人口動態調査1C上巻死亡第5.26表悪性新生物の主な部位別にみた性・年次別年齢調整死亡率(人口10万)
3) 日本婦人科腫瘍学会(編) : 卵巣癌治療ガイドライン.金原出版,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?