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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション

ここが聞きたい105例の対処と処方 V 腫瘍

【リンパ浮腫】92.広汎性子宮全摘術後早期に,リンパ浮腫,リンパ管炎,下肢蜂窩織炎が発症した患者です.

著者: 青木宏1 鹿沼達哉1

所属機関: 1群馬大学医学部附属病院産科婦人科

ページ範囲:P.616 - P.617

文献概要

1 診察の概説

 リンパ浮腫は骨盤リンパ節摘出術によりリンパ管が障害され,発症する術後合併症の1つである.障害されたリンパ管より下流のリンパ液の流れは減速や停滞し,その部位にリンパ液が貯留する.このリンパ液が間質組織間隙に流れ出ることにより組織内圧が増加し,組織はさらに浮腫状に腫大してくる.リンパ浮腫の程度は,自覚症状が軽いものから歩行困難な重症なものまでさまざまで,発症時期も術後早期に腫大する場合から,かなり年月が経てから出現する場合もある.約30%が6か月以内に,約65%が3年以内に出現するとの報告がある 1).術後補助療法として放射線外照射を受けると,リンパ管の側副路の形成が障害されリンパ浮腫の発生率が3倍以上に高くなることが知られている.

 リンパ浮腫の程度はI~III期に定義・分類され(表1),治療の目安とされる.I期では,回復可能であり予防的生活が必要となる.II期では,積極的な治療が必要となり,自然には回復不可能で,この段階を正しく治療しないと不自由な生活を余儀なくされ,回復不可能なIII期となる.

参考文献

1) 加藤逸夫 : 四肢リンパ浮腫の治療.日本医事新報3325 : 9-16,1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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