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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 VI そのほか

【術後の肥厚性瘢痕】102.肥厚性瘢痕ができやすい体質の患者です.術後,瘢痕ができないように予防してほしいといいます.

著者: 平川俊夫1 和氣徳夫2

所属機関: 1真田産婦人科麻酔科クリニック 2九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学

ページ範囲:P.645 - P.647

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1 診療の概説

 肥厚性瘢痕とケロイドは,ともに創傷治癒過程の異常によって膠原線維の過剰増殖が生じる疾患である.前者は受傷範囲を越えて拡がることはなく一定期間の増殖の後に自然退縮して萎縮性瘢痕になるのに対して,後者は受傷範囲を越えて周囲組織に拡がり長期にわたって持続性に増大する.しかし,実際には両者の区別はしばしば困難であり,予防・治療の面では同様に扱われている.いずれも外見が醜状であることに加え,時に拘縮により運動機能に制限をきたし,また疼痛や掻痒感が強いために,治療の対象となる.

 肥厚性瘢痕の発生には体質は関与しないと一般に考えられているが,ケロイドの発生には人種差があり(頻度は黒人>黄色人>白人),家族内発生の存在,またアレルギー素因者に多発することから,遺伝的背景の存在が考えられている 1)

参考文献

1) 小川 令,百束比古 : ケロイドおよび肥厚性瘢痕の予防と治療法.日医大医会誌1 : 121-128,2005
2) 菅原康志 : 整容目的の皮膚縫合法.形成外科47 : S156-S159,2004
3) 岡 博昭,前場崇宏,森口隆彦 : 皮膚切開と縫合.形成外科44 : S1-S6, 2001
4) 杠 俊介,松尾 清 : 後療法.形成外科44 : S137-S141,2001
5) 小坂正明,蔡 顯真,草田朗子,他 : ケロイド・肥厚性瘢痕に対するシリコンゲルシート療法.形成外科47 : 515-523,2004
6) 横井克憲,沢田幸正 : ケロイド・肥厚性瘢痕-Hydration and occlusion treatment(HOT)を中心に.形成外科44 : S247-S253, 2001
7) 百束比古,小川 令 : ケロイド・肥厚性瘢痕に対する電子線照射療法 : その基礎と臨床.形成外科47 : 507-513,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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