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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻4号

2007年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科外来ベストナビゲーション ここが聞きたい105例の対処と処方 VI そのほか

【頻尿】104.膀胱炎ではありませんが,頻尿を訴えている患者です.

著者: 古山将康1 錢鴻武1

所属機関: 1田附興風会医学研究所北野病院産婦人科女性骨盤外科センター

ページ範囲:P.652 - P.655

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1 診療の概説

 頻尿は文字通り,排尿回数の増加した状態のことを指すが,尿量の増加(多尿)に伴う排尿回数の増加とは区別される.一般的には一度排尿してもすぐにまた尿意をもよおす,いわゆる「尿意切迫感」を伴う頻尿を指す.水分を多量に摂取して多尿となり一時的に頻回にトイレに行くことは,病的な状態ではない.

 1日の水分摂取量が1,000~1,800 ml程度の健康成人で,1回の排尿量が200~400 ml,昼間の排尿回数が5~7回,夜間に排尿のため起きる回数が0~1回で1日の排尿総量が1,000~2,000 ml程度が通常の排尿の目安である.正常な下部尿路機能は排尿機能と蓄尿機能が交互に起こり,排尿に要する時間(排尿期)はわずかで,ほとんどが蓄尿期である.蓄尿期には特別な努力は不必要で,症状を伴うことはない.頻尿は蓄尿機能の障害と捉えられ,尿意切迫感を伴う状態を「過活動膀胱」として2002年から別に定義されることとなった 1).本稿では広義の頻尿とは区別して尿意切迫を伴う頻尿について述べる.

参考文献

1) Flisser AJ, Walmsley K, Blaivas JG : Urodynamic classification of patients with symptoms of overactive bladder. J Urol 169 : 529-533, 2003
2) 日本排尿機能学会,過活動膀胱ガイドライン作成委員会(編) : 過活動膀胱診療ガイドライン.Blackwell Publishing, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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