文献詳細
文献概要
今月の臨床 母体救急
ハイリスク妊産婦の管理と対処
著者: 高本憲男1
所属機関: 1岡山大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.685 - P.689
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周産期医療に携わるもので,より安全な周産期管理を願わないものはない.現在の一般の方々の周産期リスクの認識として,分娩は安全であり,出産施設の食事やアメニティを重視するのは否めない風潮であるといえよう.その一方では,医療関係者や医学生の間では,他科に比し,産科は訴訟も多く,選択するのをためらう向きが多いのも事実である.この認識の差は現在の周産期の進歩や実情を一般へ広く伝え,また正しく理解していただくことで,解消できるのかも知れない.そして医療側としては,さらに安全な周産期管理について考え,また医療システムを整備していくことが必要であろう.周産期・新生児医療も日々進歩すると同時に,周産期医療を取り巻く現状も刻々と変化してきている.そこで,まず現在の周産期を取り巻く現状を振り返ってみて,今後どういったことに注意していけば,少しでも周産期リスクを減ずることができるか考えてみたい.
周産期医療に携わるもので,より安全な周産期管理を願わないものはない.現在の一般の方々の周産期リスクの認識として,分娩は安全であり,出産施設の食事やアメニティを重視するのは否めない風潮であるといえよう.その一方では,医療関係者や医学生の間では,他科に比し,産科は訴訟も多く,選択するのをためらう向きが多いのも事実である.この認識の差は現在の周産期の進歩や実情を一般へ広く伝え,また正しく理解していただくことで,解消できるのかも知れない.そして医療側としては,さらに安全な周産期管理について考え,また医療システムを整備していくことが必要であろう.周産期・新生児医療も日々進歩すると同時に,周産期医療を取り巻く現状も刻々と変化してきている.そこで,まず現在の周産期を取り巻く現状を振り返ってみて,今後どういったことに注意していけば,少しでも周産期リスクを減ずることができるか考えてみたい.
参考文献
1) 財団法人母子衛生研究会(編) : 母子保健の主なる統計.平成15年度刊行
2) Nagaya K, Fetters MD, Kubo T, et al : Causes of maternal mortality in Japan. JAMA 283 : 2661-2667, 2000
3) 吉松 淳,宮川勇生 : 産科領域のピットフォール 2.ハイリスク妊娠管理上のピットフォール対策,1)高年妊産婦管理上のピットフォール対策.産婦の実際54 : 449-455,2005
4) 広田 泰,中林正雄 : 産科領域での静脈血栓,肺塞栓発症機序.産と婦68 : 454-464,2001
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