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今月の臨床 母体救急 母体救急―対応の実際
2.重症感染症・敗血症への対応
著者: 藤森敬也1 佐藤章1
所属機関: 1福島県立医科大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.716 - P.721
文献購入ページに移動はじめに
周産期領域における感染症は,かつては妊産婦死亡の大きな原因の1つであったが,抗生物質の使用や周産期管理の充実により減少してきていることは事実である.しかしながら,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin─resistant Staphylococcus aureus : MRSA)感染症の出現や,劇症型A群レンサ球菌感染症といった再興感染症,長期カテーテル留置による感染症など,新たな感染症の問題も起きている.母体に炎症性疾患がある場合は子宮収縮が誘発され,切迫早産や早産となることも多く,絨毛羊膜炎(chorioamnionitis : CAM)との鑑別が重要となることもある.
本稿では,われわれが経験した重症感染症・敗血症症例として,劇症型A群レンサ球菌感染症(分娩型),MRSA産褥感染症,妊娠中の肺炎,長期カテーテル留置(tocolysis)によるエンテロバクター菌の敗血症の臨床像を中心に解説する.
周産期領域における感染症は,かつては妊産婦死亡の大きな原因の1つであったが,抗生物質の使用や周産期管理の充実により減少してきていることは事実である.しかしながら,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin─resistant Staphylococcus aureus : MRSA)感染症の出現や,劇症型A群レンサ球菌感染症といった再興感染症,長期カテーテル留置による感染症など,新たな感染症の問題も起きている.母体に炎症性疾患がある場合は子宮収縮が誘発され,切迫早産や早産となることも多く,絨毛羊膜炎(chorioamnionitis : CAM)との鑑別が重要となることもある.
本稿では,われわれが経験した重症感染症・敗血症症例として,劇症型A群レンサ球菌感染症(分娩型),MRSA産褥感染症,妊娠中の肺炎,長期カテーテル留置(tocolysis)によるエンテロバクター菌の敗血症の臨床像を中心に解説する.
参考文献
1) Bone RC, Balk RA, Cerra FB, et al : Definitions for sepsis and organ failure and guidelines for the use of innovative therapies in sepsis. The ACCP/SCCM Consensus Conference Committee. American College of Chest Physicians/Society of Critical Care Medicine. Chest 101 : 1644-55, 1992
2) 宇田川秀雄,押尾好浩,清水可方 : 劇症型A群連鎖球菌感染症「分娩型」の臨床.日産婦誌51 : 1141-1149,1999
3) 藤森敬也,浅野仁覚,柳田 薫,他 : 妊娠・分娩とMRSA感染.周産期医学29 : 217-222,1999
4) 野口昌良 : MRSAによる産褥熱の対応はどうするか?周産期医学34 : 374-375,2004
5) Goodnight WH, Soper DE : Pneumonia in pregnancy. Crit Care Med 33 : S390-397, 2005
6) Jin Y, Carriere KC, Mattie TJ, et al : The effects of community-acquired pneumonia during pregnancy ending in a live birth. Am J Obstet Gynecol 180 : 800-806, 2003
7) Munn MB, Groome LJ, AtterburyJL, at al : Pneumonia as a complication of pregnancy. J Mtern Fetal Med 8 : 151-154, 1999
8) http://www.khosp.or.jp/whatsnew/issue01046.html
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