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今月の臨床 母体救急 母体救急―対応の実際
6.深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症への対応
著者: 小林隆夫1
所属機関: 1信州大学医学部保健学科
ページ範囲:P.735 - P.739
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静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)はこれまでわが国では比較的稀であるとされていたが,生活習慣の欧米化などに伴い近年急速に増加している1~3).血栓症で臨床的に問題となるのは,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis : DVT)とそれに起因する肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)である.PTEはDVTの一部(5~10%)に発症する疾患であるが,一度発症するとその症状は重篤であり致命的となるので,急速な対処が必要となる.本稿では,VTEの診断・治療,およびVTE合併妊婦への対応について解説する.
静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)はこれまでわが国では比較的稀であるとされていたが,生活習慣の欧米化などに伴い近年急速に増加している1~3).血栓症で臨床的に問題となるのは,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis : DVT)とそれに起因する肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)である.PTEはDVTの一部(5~10%)に発症する疾患であるが,一度発症するとその症状は重篤であり致命的となるので,急速な対処が必要となる.本稿では,VTEの診断・治療,およびVTE合併妊婦への対応について解説する.
参考文献
1) 小林隆夫 : 深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症).周産期の出血と血栓症(小林隆夫,水上尚典,白幡 聡(編).pp276-304,金原出版,東京,2004
2) 小林隆夫 : 産褥静脈血栓塞栓症.看護のための最新医学講座.第2版.第15巻.産科疾患(日野原重明,井村裕夫監).pp348-363,中山書店,東京,2005
3) 小林隆夫 : III.肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症の予防対策.4.産婦人科領域.静脈血栓塞栓症ガイドブック(小林隆夫編).中外医学社,東京,pp117-132,2006
4) 小林隆夫 : 血栓性静脈炎.産婦人科治療90 : 248-252,2005
5) 小林隆夫 : 薬の使い方Q&A-深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症.救急・集中治療18 : 1021-1026,2006
6) 安藤太三,應儀成二,小川 聡,他 : 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断・治療・予防に関するガイドライン.Circulation Journal 68(Suppl. IV): 1079-1152,2004
7) 小林隆夫,中林正雄,石川睦男,他 : 産婦人科領域における深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症-1991年から2000年までの調査成績.日産婦新生児血会誌14 : 1-24,2005
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