文献詳細
連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・21
卵巣過剰刺激症候群による卵巣茎捻転後に特異な経過をとった2症例
著者: 長谷川功1 吉谷徳夫1 湯澤秀夫1 新井繁1 木戸直子2
所属機関: 1済生会新潟第二病院産婦人科 2新潟大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.742 - P.745
文献概要
患者:30歳,0経妊・0経産
主訴:右下腹痛
既往歴:特記事項なし.
現病歴:排卵障害(ovarian hyperstimulation syndrome:PCOS)による不妊症にて他院にて加療中であった.2004年5月13日からの月経周期の5日目よりhMG製剤150単位を計7回投与後,5月26日に首席卵胞18mmの時点でhCG 5,000単位を投与した.6月1日に強い右下腹痛が出現したため,当院に紹介となった.
入院時現症:全身状態は良好で,血圧118/60mmHg,脈拍/72分,体温37.6℃であった.内診上,右付属器が腫大し,強い圧痛があった.超音波断層法にて,右卵巣が径80×50mm,左卵巣が径37×44mmに腫大してた.Multicysticな典型的なOHSSの像であった.腹水はダグラス窩に少量のみ認めた.
検査所見:WBC 14,700/mm3,RBC 389/mm3,Hb 11.0g/dl,Ht 32.9%,Plt 21.3/mm3,CRP<0.28mg/dlであった.
参考文献
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