文献詳細
連載 OBSTETRIC NEWS
文献概要
子宮内で胎便を排出する胎児は約10~15%である.このなかで,口腔咽頭部と鼻咽頭の吸引を出生直後に行っても胎便吸引症候群(MAS)のために死亡する児は約4%である.MASが原因で呼吸不全,アシドーシス,胎児低酸素血症,持続する肺高血圧症が発症する.これらの続発症は胎便が胎児肺に吸引され,化学的肺炎が起こったときに発症する可能性がある.過去30年間,児の肩甲の娩出前にMASの率を減少させるためにDeLeeカテーテルによる気道吸引が行われてきた.この手技の利点に関しては最近10年間くらい論争があり,結論は出ていない.しかし,胎便による羊水汚染があった場合は,全例ルチーンに児娩出前にDeLeeカテーテルによる気道吸引を行うのが標準的医療とは断定できなくなっているのも事実である.今回は,この問題に関する最近の文献を紹介する.
参考文献
Nam MH, et al. Contemp Ob Gyn 2006年9月号
掲載誌情報