文献詳細
文献概要
連載 Estrogen Series・74
更年期後のエストロゲン療法と冠動脈疾患
著者: 矢沢珪二郎1
所属機関: 1ハワイ大学
ページ範囲:P.848 - P.849
文献購入ページに移動 今回は,前回に引き続いてWHI(Women's Health Initiative)からのデータをさらに詳細に分析したレポートをご紹介したい.対象となった人口は前回と同様の,過去に子宮摘出術を受けた女性10,739人で,その平均年齢は63.6歳である.これらの女性を二分し,一方には抱合型エストロゲン(conjugate equine estrogen : CEE)0.625mgを,他方には外見上同一のプラセボを投与し6.8年追跡した.この追跡は40か所のメディカルセンターで1993年に開始された.
その結果,冠動脈疾患(心筋梗塞による死亡+非致死性冠動脈疾患の総数)の発生は,両群間で差異はみられなかった.しかし,年齢50~59歳のグループではCEE群における冠動脈疾患の減少がみられた(hazard ratio=0.63,95%信頼間隔0.36~1.08).しかし,統計的有意差はなかった.その原因はこの年齢層においては冠動脈疾患の発生率が0.21%と低率で,十分なpowerが得られなかったためである.
その結果,冠動脈疾患(心筋梗塞による死亡+非致死性冠動脈疾患の総数)の発生は,両群間で差異はみられなかった.しかし,年齢50~59歳のグループではCEE群における冠動脈疾患の減少がみられた(hazard ratio=0.63,95%信頼間隔0.36~1.08).しかし,統計的有意差はなかった.その原因はこの年齢層においては冠動脈疾患の発生率が0.21%と低率で,十分なpowerが得られなかったためである.
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