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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻7号

2007年07月発行

文献概要

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編集後記

著者: 倉智博久

所属機関:

ページ範囲:P.978 - P.978

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 最近,Women's Health Initiative(WHI)の再解析結果が発表されました(Rossouw JE, Prentice RL, et al : JAMA 297 : 1465, 2007).これは,HRTは閉経後早期から始めれば心血管系疾患を抑制する傾向がみられ,総合的な「好ましさ(global index)」もよい傾向を示したというものです.そもそも,2002年のWHIの研究デザインについては,対象年齢が一般的なHRTの施行とかけ離れて高齢であることに疑問の声が上がっていました.ほかの研究でも,閉経早期からHRTを開始すれことが好ましいとの結果も発表されています.

 HRT施行の可否についての,最近10数年間の論議を振りかえってみますと,1990年代の「HRTはとにかくよい.すべての閉経後女性に施行すべき」から,2000年に入ると「HRTは危険であり,できるだけ施行すべきでない」,そして現在は,「更年期症状などを勘案して,個別化して施行すべき」と,大きく変遷しました.物事の考え方は,左右に大きく振れてちょうど真ん中に落ち着くという典型的な例かも知れません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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