文献詳細
今月の臨床 産科超音波診断─正診への道筋
妊娠中・後期
文献概要
はじめに
胎児の中枢神経系診断は難しい.その理由としては,画像診断において最低限必要な脳解剖や中枢神経系の先天異常についての知識が少ないこと,胎児中枢神経系は胎芽期からかなりその形態を変貌させながら発育するためにどの週数でどのような脳あるいは脳室であれば異常であるかがわかりにくいこと,胎児計測の基本とされているBPD(biparietal diameter)の計測をする水平断面のみで胎児脳を把握しようとすることに無理があること,などが挙げられる1).基本構造と胎児期の脳発育を理解したうえで脳を観察すると日常臨床での観察は容易となる.
胎児の中枢神経系診断は難しい.その理由としては,画像診断において最低限必要な脳解剖や中枢神経系の先天異常についての知識が少ないこと,胎児中枢神経系は胎芽期からかなりその形態を変貌させながら発育するためにどの週数でどのような脳あるいは脳室であれば異常であるかがわかりにくいこと,胎児計測の基本とされているBPD(biparietal diameter)の計測をする水平断面のみで胎児脳を把握しようとすることに無理があること,などが挙げられる1).基本構造と胎児期の脳発育を理解したうえで脳を観察すると日常臨床での観察は容易となる.
参考文献
1)Pooh RK, Maeda K, Pooh KH:An Atlas of Fetal Central Nervous System Disease. Diagnosis and Management. Parthenon CRC Press, London, New York, 2003
2)International Society of Ultrasound in Obstetrics Ramp; Gynecology Education Committee:Sonographic examination of the fetal central nervous system:guidelines for performing the ‘basic examination'and the‘fetal neurosonogram'. Ultrasound Obstet Gynecol 29:109-116, 2007
3)Alagappan R, Browning PD, Laorr A, et al:Distal lateral ventricular atrium:reevaluation of normal range. Radiology 193:405-408, 1994
4)Almog B, Gamzu R, Achiron R, et al:Fetal lateral ventricular width:what should be its upper limit? A prospective cohort study and reanalysis of the current and previous data. J Ultrasound Med 22:39-43, 2003
5)夫 律子:フルカラーアトラス最新3D/4D胎児超音波画像診断.メディカ出版,大阪,2004
掲載誌情報