文献詳細
連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・24
産褥期に多量の腹腔内出血を起こした症例
著者: 村上充剛1 田中陽子1 早田英二郎1 吉川智之1 水本賀文1
所属機関: 1自衛隊中央病院産婦人科
ページ範囲:P.1065 - P.1067
文献概要
患者:34歳,3経産・2経産
既往歴:特記すべきことなし.
現病歴:今回の妊娠経過には特に異常を認めず,妊娠38週5日に自然陣発し正常分娩した(分娩時間3時間20分,出血量216g).産後経過も異常なく産褥5日目に退院となった(退院時Hb 9.6g/dl).産褥6日目の昼過ぎに突然上腹部痛が出現,一時的に意識消失して転倒し救急車で搬送された.
入院時現症:意識はほぼ清明,顔面は蒼白,血圧76/40mmHg,脈拍92/分であった.下腹部を中心に著明な圧痛を認めた.子宮収縮は良好で,付属器は触知せず,悪露の性状には異常を認めなかった.
超音波所見:子宮・卵巣には明らかな異常を認めなかったが,ダグラス窩・膀胱子宮窩にecho free spaceを認めた.
検査所見:WBC 7,600/μl,Hb 9.1g/dl,Ht 28.6%,Plt 24.2万/μl,CRP 2.0mg/dlであった.
参考文献
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