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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科61巻9号

2007年09月発行

文献概要

連載 Estrogen Series・76

更年期後の骨折増加と姿勢平衡感覚機能の低下,およびエストロゲン療法による平衡感覚の回復について

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.1189 - P.1191

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 今回にご紹介するスエーデンの研究者による発表を要約すると,(1)加齢に伴う骨折は前腕部および大腿骨骨頭の骨折(この2つを合わせて,遠位端骨折と総称される)と脊椎骨折(近位端骨折)とに2分される,(2)脊椎骨折が骨密度(BMD)の減少をその大きな原因としているのに対して,前腕骨折と大腿骨骨頭の骨折は加齢およびエストロゲン低下による姿勢の平衡感覚の低下にその主な原因がある.姿勢平衡機能の維持の回復はエストロゲン療法により可能であるが,その時期は更年期後なるべく早期であるほうが有効である.

 骨質量(bone mass)の低下が,特に65歳以上の女性において,骨折の原因の1つであることは疑問の余地がない.女性の骨折率は50歳を過ぎると,7~8年ごとに倍増する.女性の骨質量は,男性に比較してもともと低く,さらに骨喪失は男性よりも大きいので,大腿骨頸部の骨折は男性の場合の2倍に達する.それに加えて,女性は男性よりも長生きするので,大腿骨骨折の発生数は女性が全体の2/3を占める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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