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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科62巻1号

2008年01月発行

症例

子宮摘出に至った瘢痕部妊娠の病理学的検索について

著者: 岩根恵子1 無江良晴2 松田琢磨1 小山理恵1 中村眞一2 杉山徹1

所属機関: 1岩手医科大学産婦人科学教室 2岩手医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.85 - P.87

文献概要

 症例は32歳,妊娠・分娩歴は6経妊・3経産であり,そのうち2回が帝王切開であった.近医で子宮腔に胎嚢が確認できず,子宮頸管前壁に胎嚢と思われる嚢胞が確認されたため,当院に紹介された.子宮動脈塞栓術(uterin artery embolization:以下,UAE)を施行したが,胎嚢増大に伴い子宮頸部前壁の菲薄化を認めた.子宮頸部穿孔を防ぐために子宮摘出に至った.病理組織で,絨毛繁毛部が子宮頸部前壁に侵入し穿通胎盤に類似した瘢痕部妊娠と診断した.

参考文献

1) Shinagawa S, Nagayama M:Cervical pregnancy as a possible sequela of induced abortion. Report of 19 cases. Am J Obstet Gynecol 105:282-284, 1969
2) 中野 明:頸管妊娠の臨床的考察-教室例10例を加えた本邦131例の検討.産婦世界26:885-892,1974
3) 佐藤賢一郎,水内英充:子宮外妊娠の超音波診断-頸管妊娠,帝王切開創部妊娠を中心に.臨婦産58:1175-1181,2004
4) 利部輝雄:頸管妊娠に対する経腹的子宮頸管切開術.日本産婦人科手術学会(編):産婦人科手術のコツ-その創意と工夫を伝承する.メジカルビュー社,pp226-227,2001
5) 平安名常一:選択的子宮動脈塞栓術にて保存的治療の成功が得られた子宮頸管妊娠の1例.臨床放射線49:695-698,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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