文献詳細
今月の臨床 胎児機能不全
【分娩中の診断と取り扱い】
文献概要
はじめに
分娩時における胎児管理のポイントは,胎児のアスフィキシアを予見・評価し,重度なアスフィキシアが認められれば改善策を講じ,無効であればただちに娩出することである.胎児アスフィキシアとは,(1)低酸素性または低酸素・虚血性のストレスに対して,(2)胎児の代償機能が破綻した結果,嫌気性代謝が進み,代謝性アシドーシス(または混合性アシドーシス)となり,(3)進行すれば,脳障害をはじめとする臓器障害へとつながる可能性のある病態と定義される.
胎児アスフィキシアの臨床診断名がnon─reassuring fetal status(日本語病名としては胎児機能不全)である.分娩時における胎児機能不全の診断には,もっぱら胎児心拍数モニタリング(または胎児心拍数陣痛図,cardiotocogram : CTG)を用いて診断されている.胎児機能不全と胎児アスフィキシアとの関係を述べることが,分娩管理という医療行為を特徴づけているといっても過言ではなく,以下に述べる.
分娩時における胎児管理のポイントは,胎児のアスフィキシアを予見・評価し,重度なアスフィキシアが認められれば改善策を講じ,無効であればただちに娩出することである.胎児アスフィキシアとは,(1)低酸素性または低酸素・虚血性のストレスに対して,(2)胎児の代償機能が破綻した結果,嫌気性代謝が進み,代謝性アシドーシス(または混合性アシドーシス)となり,(3)進行すれば,脳障害をはじめとする臓器障害へとつながる可能性のある病態と定義される.
胎児アスフィキシアの臨床診断名がnon─reassuring fetal status(日本語病名としては胎児機能不全)である.分娩時における胎児機能不全の診断には,もっぱら胎児心拍数モニタリング(または胎児心拍数陣痛図,cardiotocogram : CTG)を用いて診断されている.胎児機能不全と胎児アスフィキシアとの関係を述べることが,分娩管理という医療行為を特徴づけているといっても過言ではなく,以下に述べる.
参考文献
1) Parer JT : Asphyxia and brain damage. Handbook of Fetal Heart Rate Monitoring, 2nd ed. p197, WB Saunders, Philadelphia, 1997
2) Parer JT, King T, Flanders S, et al : Fetal academia and electronic fetal heart rate patterns : Is there evidence of an association? J Matern Fetal Neonatal Med 19 : 289─294, 2006
3) 周産期委員会(委員長岡井 崇)報告.日産婦会誌 : 1220─1229,2008
4) Freeman RK, Garite TH, Nageotte MP : Fetal Heart Rate Monitoring, 3rd ed. Lippincott Williams and Wilkins, Philadelphia, 2003
5) Kubli FW, Hon EH, Khazin AF, et al : Observations on heart rate and pH in the human fetus during labor. Am J Obstet Gynecol 182 : 214─220, 2000
6) Chao A : Graphic mnemonic for variable decelerations. Am J Obstet Gynecol 197 26 : 1─6, 2007
7) 岡村州博,他 : 胎児心拍数図の用語及び定義検討小委員会報告(周産期委員会報告,委員長 : 佐藤 章).日産婦会誌55 : 1205─1216,2003
掲載誌情報