臨床婦人科産科62巻2号

2008年02月発行

今月の臨床 新生児の蘇生と管理 分娩室での蘇生

6．気管挿管の実際

著者： 水谷佳世¹ 佐藤弘之¹

所属機関： ¹亀田メディカルセンター総合周産期母子医療センター新生児科

ページ範囲：P.142 - P.146

はじめに

　日常診療において新生児仮死および呼吸障害を呈する新生児に遭遇することは，その呼吸中枢の未熟性と気道や胸郭あるいは呼吸筋の脆弱性などの生理学的な特性から比較的多いと思われる．また，蘇生の遅延や遷延する呼吸障害は低酸素血症に直結し生死を左右するばかりでなく，神経学的な後遺症，予後の点からも重要で，その対応には速やかで適切な対応が必要となる．そのため初期の対応はきわめて重要と考えられ，気管挿管の適応があれば直ちに施行されるべきであることはいうまでもない．しかしながら，新生児・未熟児に対する気管挿管にはある程度，いわゆる“コツ”と呼ばれるものがある．それらを含めて概説する．

参考文献

1) 桜井淑男：出生直後の新生児心肺蘇生における気管挿管．周産期医学37：239-244，2007

2) 田村正徳(訳)：第5章　気管挿管．AAP/AHA新生児蘇生テキストブック．pp5-6，医学書院，東京，2006