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文献概要
今月の臨床 新生児の蘇生と管理 新生児室での管理
2.ルーチンケア
著者: 長和俊1
所属機関: 1北海道大学病院周産母子センター
ページ範囲:P.151 - P.154
文献購入ページに移動はじめに
多くの施設で分娩室の個室化と,早期あるいは完全母児同室化が進行しているため,新生児を新生児室に収容する機会は減少している.一方で,早期新生児期は多くのケアを必要とする時期であり,たとえ完全母児同室で管理中であっても,ケアが省略されるわけではない.そのため,「新生児室におけるルーチンケア」は,「早期新生児期におけるルーチンケア」と言い換えることができる.ルーチンケアとは「予定された時期に,予定されたケア項目を確実に実行すること」と考えられるため,チェックリストの使用に適している.同様に,ルーチンケアは新生児領域では一般的に使用が制限されるクリティカルパスの導入にも適していると考えられ,複数のクリティカルパスが公開されている1, 2).
しかし,疾患を持たない新生児に対するケアは地域・施設ごとに伝統的・経験的に構築されている部分が多く,またその有効性の判定が難しいため,EBM(evidence based medicine)が導入されにくい領域でもある.各施設の特異性を考慮しつつ,他施設の方法やエビデンスに目を向け,偏見を排して日常のルーチンケアを定期的に見直す姿勢が肝要である.
多くの施設で分娩室の個室化と,早期あるいは完全母児同室化が進行しているため,新生児を新生児室に収容する機会は減少している.一方で,早期新生児期は多くのケアを必要とする時期であり,たとえ完全母児同室で管理中であっても,ケアが省略されるわけではない.そのため,「新生児室におけるルーチンケア」は,「早期新生児期におけるルーチンケア」と言い換えることができる.ルーチンケアとは「予定された時期に,予定されたケア項目を確実に実行すること」と考えられるため,チェックリストの使用に適している.同様に,ルーチンケアは新生児領域では一般的に使用が制限されるクリティカルパスの導入にも適していると考えられ,複数のクリティカルパスが公開されている1, 2).
しかし,疾患を持たない新生児に対するケアは地域・施設ごとに伝統的・経験的に構築されている部分が多く,またその有効性の判定が難しいため,EBM(evidence based medicine)が導入されにくい領域でもある.各施設の特異性を考慮しつつ,他施設の方法やエビデンスに目を向け,偏見を排して日常のルーチンケアを定期的に見直す姿勢が肝要である.
参考文献
1) http://epath.medis.jp/e-cp_file3_frame.html
2) http://www.gobyou.com/pdf/09shou/keititu_sinseiji.pdf
3) 長 和俊:出生時の臍帯血採取.新生児医療と看護の臨床手技(Neonatal Care 2007年春季増刊).pp54-59,2007
4) 長 和俊:呼吸の評価.周産期医学37:35-38,2007
5) 原田正平,市原 侃,新井純理,他:周産期に使用されたヨード含有消毒剤の影響によるクレチン症マススクリーニングの偽陽性者増加に関する全国調査.日本マス・スクリーニング学会誌3:95-99,1993
6) 白幡 聡,白川嘉継:わが国における新生児ならびに乳児ビタミンK欠乏性出血の現状.未熟児新生児誌14:213-219,2002
7) 長 和俊:成熟度評価.周産期医学35:1441-1446,2005
8) 長 和俊:正常サインと異常サイン.Neonatal Care 19:1145-1149,2006
9) 長 和俊:よく見られる正常の症状・所見と観察のポイント(Neonatal Care 2003年秋期増刊).pp25-36,2003
10) http://www.city.sapporo.jp/eiken/org/health/newborn/panf.html
11) 母乳育児成功のための10か条〔UNICEF/WHO(1993)橋本武夫監訳,日本ラクテーション・コンサルタント協会翻訳:母乳育児支援ガイド〕.医学書院,東京,p2,2003
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