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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科62巻2号

2008年02月発行

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・30

2回目の妊娠中に発症した先天性胆管拡張症症例

著者: 奥正孝1 宇山圭子1 前原将男1 梶原宏貴1 明石貴子1 斎藤仁美1 丸茂詠子1 小川恵1

所属機関: 1東大阪市立総合病院産婦人科

ページ範囲:P.203 - P.206

文献概要

症例

 患者:26歳,1経妊・1経産.助産院にて2,690gの女児を分娩した.妊娠経過中に異常は認められなかったとのことである.

 既往歴:腹痛で近医を受診した際に胆石症と診断されたことがある.

 現病歴:前回とは別の助産院で分娩予定.妊娠初期検査目的で妊娠11週に当科を初診した.妊娠経過ならびに血液検査で異常所見を認めなかった.妊娠14週4日に,胃痛・背部痛を主訴に当院総合内科を受診した.血液検査において,AST 203U/l,ALT 156U/l,ALP 458U/l,LDH 252U/lと肝機能異常が認められ,以前指摘された胆石のときと症状が類似しているとのことで,消化器内科に紹介された.

参考文献

1) 小村憲一,増田英樹,石井敬基,他:帝王切開時に胆道ドレナージを施行し,二期手術にて根治しえた先天性胆道拡張症の一例.日大医学雑誌59:129-133,2000
2) 羽山友成,岩沖靖久,大石秀夫,他:胆管癌をともなう先天性胆道拡張症合併妊娠の1症例.産婦人科の実際50:763-767,2001
3) 吉田雅博,高田忠敬,天野穂高:胆管炎を契機に発症した妊娠中の先天性総胆管拡張症-自験例と本邦集計57例の検討.胆道11:196-202,1997
4) 三尾母孝惠,小野山佳道,住友健三,他:経皮経肝胆管ドレナージにより管理した先天性総胆管拡張症合併妊娠の1例.産科と婦人科63:575-578,1996
5) 武者由佳,伊藤 茂,野島美知夫,他:妊娠を契機に発症し保存的治療により妊娠継続を行えた先天性総胆管拡張症の1例.日本周産期・新生児医学会雑誌40:859-862,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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