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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科臨床の難題を解く─私はこうしている II 不妊治療 【一般不妊治療】

1.不妊患者の内視鏡検査・手術の適応とタイミングは?

著者: 可世木久幸1 松島隆1

所属機関: 1日本医科大学武蔵小杉病院女性診療科・産科

ページ範囲:P.438 - P.443

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1 基本的事項

 不妊症治療の望ましい姿を考えてみよう.不妊検査・治療開始後,妊娠分娩に至る期間が短く,さらに正期産による正常出生体重児が獲得できることであろう.この枠組みのなかに,内視鏡検査を導入するタイミングとその検査・手術の適応の検討が本論文の目的である.この場合,内視鏡検査・手術に用いる内視鏡は腹腔鏡,子宮鏡,卵管鏡とする.

 表1に不妊検査を月経周期に沿って配置した.内診,経腟超音波検査,子宮頸部・内膜細胞診などの初診時の基本検査を行ったのち,基礎体温により排卵の有無を大きく捉える.規則正しい排卵が予想される症例の場合には,卵巣機能を調べる目的でLH─RHテスト,TRHテストを月経開始初期に行い,排卵時期にE2サージ,LHサージおよび卵胞発育が適切に絡み合っているか,着床期に黄体機能が適切に働いているだろうかなどの検討が必要である.これに加え,卵管機能,子宮形態の基本情報源としての子宮卵管造影図法(hysterosalpingography : HSG)も重要な検査である.さらに,男性因子を検討する目的の精液検査とヒューナーテスト(性交後試験)がある.

参考文献

1) 村上 節 : 不妊症に対する腹腔鏡下手術のガイドライン.日本内視鏡外科学会,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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