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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科62巻4号

2008年04月発行

文献概要

今月の臨床 産婦人科臨床の難題を解く─私はこうしている II 不妊治療 【ART】

5.凍結胚移植周期の管理法は?

著者: 藤野祐司1

所属機関: 1藤野婦人科クリニック

ページ範囲:P.520 - P.523

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1 はじめに

 生殖医療技術の進歩とともに受精卵の凍結技術も緩慢凍結法からガラス化凍結法へと革新的に進化し,胚の凍結保存は生殖医療には欠かすことのできない必須技術となっている.ヒトでの胚凍結技術,凍結胚移植の歴史は約25年を経過しているが,当初は移植の際に残った余剰胚の凍結保存として4~8細胞期胚の凍結から始まり,卵巣過剰刺激症候群(ovarian hyperstimulation syndrome : OHSS)予防のための前核期胚の全胚凍結保存,最近では胚盤胞期胚の選択的凍結保存と進歩し,生殖補助医療成績向上の重要な手技の1つとなっている.

 近年の排卵誘発法の進歩などに伴い,多数の良好胚が得られることが多くなっている.しかしながら,移植胚数の増加は多胎妊娠の増加につながることが明らかであり,日本産科婦人科学会では移植胚数を3個以下に制限するように会告を示しているが,多胎妊娠は依然として大きな周産期医療の問題として残っている.そこで“凍結融解胚の単一移植”を有効に実施することにより,多胎妊娠率を増加させずに妊娠率を向上させることが可能であると考える.

 本稿では,凍結胚移植周期の管理法の一助とすべく,着床を取りまくホルモン環境と“implantation window”という概念,ならびに凍結胚移植に必要な一般的な子宮内膜調整方法を概説するとともに,われわれの凍結胚移植の成績を紹介する.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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