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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科62巻7号

2008年07月発行

今月の臨床 エキスパートに学ぶ―体外受精実践講座

精子の質の評価法

著者: 吉田淳1 中村拓実1 渡邊倫子1 鈴木幸成1 岩本豪紀1 両角和人1 杦村和代1

所属機関: 1木場公園クリニック

ページ範囲:P.946 - P.949

文献概要

はじめに

 ART(体外受精・顕微授精)の成績に影響を及ぼす大きな6つの柱には,ART実施前の検査,ovarian reserveを評価した適切な卵巣刺激,採卵,laboratory work(quality control,quality assurance),胚の選別と胚移植,黄体補充がある1).ARTのなかで,卵子は選別することができないが,精子は選別することができる.体外受精では自然による精子選別(natural sperm selection)によって受精が成立するが,顕微授精ではどの精子を使用するかの選別は最終的に人の目によってなされるため,1匹の精子の質の評価が重要となる.もちろん,精子の良し悪しが,妊娠率,流産率,生産率,奇形率,児の疾病の発生率に大きく影響する.

 また,精液検査の結果が異常であるときは,即ARTを行うのではなく,精索静脈瘤の有無など男性の診察を行うべきである.著明な精索静脈瘤があると,精子数,精子運動率のみでなく精子の質が低下することがある.

 本稿では,精子の構造と成熟と精子の質の評価法について述べる.

参考文献

1) 吉田 淳(編) : すぐに役立つART実践マニュアル─木場公園クリニック式method.永井書店,2005
2) Atlas of Human Sperm Morphology Evaluation. Taylor&Francis, New York, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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