文献詳細
連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・34
グリセリン浣腸により腸管穿孔をきたし敗血症,DICとなったが,母児ともに救命できた症例
著者: 徳毛敬三1 妹尾絵美1 山本暖1 早瀬良二1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構福山医療センター産婦人科
ページ範囲:P.1005 - P.1007
文献概要
患 者 : 30歳,初産婦
主 訴 : 腹痛
既往歴 : 特記すべきことなし.
現病歴 : 妊娠25週6日より,切迫早産にて前医に入院していた.搬送となる前日,便秘による排便困難にてグリセリン浣腸を行い,切迫症状は軽減した.翌日も同様の症状を呈したため浣腸を行ったところ腹痛が増強し,妊娠30週4日に切迫早産,急性腹症にて当科に緊急母体搬送となった.
入院時現症 : 身長166 cm,体重53 kg,血圧110/52 mmHg,脈拍108/分,体温37.2℃,心音および呼吸音は正常であった.腹部は軟で,圧痛,筋性防御,反動痛を認めなかったが,NST(non─stress test)にて頻回の子宮収縮を認めた.内診所見では,子宮口閉鎖,出血は認めなかった.
超音波検査では,胎児の推定体重は1,900 g,胎児および胎盤に異常は認めなかった.
検査所見 : 検査所見は,WBC 13,400/μ
参考文献
掲載誌情報