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今月の臨床 エキスパートに学ぶ―漢方療法実践講座 【処方の実際】
7.更年期障害 : 簡略更年期指数から漢方処方を考える
著者: 中原健次1 小島原敬信1 倉智博久1
所属機関: 1山形大学医学部発達生体防御学講座女性医学分野
ページ範囲:P.1093 - P.1097
文献購入ページに移動更年期障害を評価するときに,一般にはKupperman更年期指数などを用いるが,日本人の実情に合わない点もあり,また忙しい外来診療の中では煩雑である.実際には,簡略更年期障害指数(simplified menopausal index : SMI)(表1)を使って更年期障害の概要把握や治療効果の推移をみている場合が多いと思われる.
また,漢方は西洋医学と異なる「証」という概念を用いて処方を決定しており,この「証」がやや難解であるため,しばしば漢方を使いたいと思う現場の医師にとって重荷になったりする.しかも,多彩な使い分けの分類となるために鑑別処方が困難な印象を持つことも多い.
そこで,「証」を細かく意識しないくとも医療現場ですぐに使えるように,SMIの各症候を主に考えた場合の処方を3つずつ挙げてみた.3つずつというのは,初心者でも比較的簡単に自分の処方パターンを把握することができる範囲である.その範囲でうまくいかない場合に初めて,第4の処方以降を考えていけばよい.
まず,婦人科代表的3処方を覚えておくべきであり,処方の特徴と症例を呈示した.その後,SMIの各症状に対して使ってみてよい処方を3つずつ述べる.
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