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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科62巻8号

2008年08月発行

文献概要

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・35

淋菌性感染症と卵巣腫瘍が併発した1例

著者: 井浦俊彦1 富田嘉昌1

所属機関: 1浅ノ川総合病院産婦人科

ページ範囲:P.1123 - P.1125

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症 例

 患 者 : 23歳,未婚

 既往歴 : 特記すべきことなし.

 主 訴 : 排尿時痛,性感染症の精査

 現病歴 : 数日前から軽度の排尿時痛を感じていた.セックスパートナーが淋菌感染を認めたことから,精査目的にて受診した.帯下の増量や下腹部痛などの症状は認めていない.

 〈外来受診時〉

 内診所見 : 〔子宮〕前傾前屈,大きさは正常,硬さは正常.〔左付属器〕鶏卵大で軟であり,可動性が少ない.〔右付属器〕腫大なし.〔帯下〕淡黄色,中等量であった.

 超音波所見 : 子宮には明らかな異常は認められなかった.左卵巣は6×4.3 cmで単房性に腫大していた(図1).右卵巣は正常であった.

 検査所見 : WBC 5,500/μl,Hb 10.8 g/dl,Ht 33.2%,Plt 9万/μl,CRP 0.08 mgであった.

 尿検査 : 異常なし.

 腫瘍マーカー : CA19─9 13.4 U/ml,CA 125 18.6 U/ml,CA 546 4.5 U/mlといずれも正常であった.

 腟培養検査 : Neisseria gonorrhoeae〔淋菌〕(3+),腸球菌(+),クラミジア陰性であった.

参考文献

1) 性感染症報告数 : 感染症発生動向調査.厚生労働省,2005
2) CurtisAH : A cause of adhensions in the right upper quadrant. JAMA 94 : 1221─1222, 1930
3) Fifth─Hugh TJ : Acute gonococcic peritonitis of the right upper quadrant in women. JAMA 102 : 2094─2096, 1934
4) 西江昭弘,吉満研吾,本田 浩 : Fitz─Hugh─Curtis症候群.画像診断26 : 200─201,2006
5) 野口靖之 : クラミジア・淋菌検査─どのキットを選んだらよいか.産婦の世界57 : 1057─1062,2005
6) 日本性感染学会(編) : 性感染症 診断・治療ガイドライン2004.日感染誌15(Suppl) : 8─16,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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