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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科62巻8号

2008年08月発行

文献概要

臨床経験

10歳代の性交未経験者に対する外来での経外陰子宮鏡検査の試み

著者: 佐藤賢一郎1 北島義盛1 水内英充2 水内将人3 塚本健一4 藤田美悧4

所属機関: 1新日鐵室蘭総合病院産婦人科 2旭川みずうち産婦人科 3札幌医科大学産婦人科 4新日鐵室蘭総合病院検査科

ページ範囲:P.1133 - P.1136

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 今回われわれは,腟鏡を掛けずに外陰より直接子宮鏡を挿入する手技(以下,経外陰子宮鏡検査と呼称)により子宮腔内を観察し得た1例を経験した.症例は17歳,0経妊・0経産(性交未経験),主訴は月経不順,過多・過長月経,不正性器出血である.経腹超音波,MRIで明確な診断が得らず子宮鏡検査を施行することとした.麻酔下での子宮鏡検査は同意が得られず,インフォームド・コンセントのうえ外来にて経外陰子宮鏡検査を試みたところ,子宮腔内に多発する内膜ポリープを認めた.麻酔下で経頸管的切除を施行し,その後,過多・過長月経,不正性器出血の症状は軽快している.

 性交未経験者や閉経後例で腟腔の狭小な例など腟鏡の挿入が困難な例のみならず,本手技は,腟鏡を挿入される不快感や疼痛もほとんどなく無麻酔で施行が可能なため,従来の子宮鏡手技に替わっての施行も検討に値するのではないかと思われた.

参考文献

1) 高島英世 : 実施手技.カラーアトラス子宮鏡検査─細胞像・組織像との相関.pp5─6,金原出版,1997
2) Loffer FD : Techniques for diagnostic rigid hysteroscopy. In : Office Hysteroscopy(Isaacson KB ed). Mosby, pp54─60, 1996
3) Valle RF : Technique of panoramic hysteroscopy. In : Diagnostic and Operative Hysteroscopy(Baggish MS, Barbot J, Valle RF eds). pp177─179, Mosby, 1999
4) 齋藤寿一郎 : 子宮鏡.日産婦誌58 : N479─N486,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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