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今月の臨床 妊産婦の薬物療法―あなたの処方は間違っていませんか 【よく使われる薬剤と処方の実際】
4.子宮収縮抑制薬
著者: 平井久也1 金山尚裕2
所属機関: 1浜松医科大学周産母子センター 2浜松医科大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.1178 - P.1181
文献購入ページに移動子宮収縮抑制薬は切迫早産および後期切迫流産に対する治療として用いられている.主として使用される薬剤は,塩酸リトドリン(ウテメリン®),硫酸マグネシウム(マグセント®)が保険適用薬として認可されているほか,インドメタシン(インダシン®)などが使用される場合がある.切迫早産に対する子宮収縮抑制薬投与の有効性については,Canadian Preterm Labor Investigators Groupを代表とするさまざまな欧米の試験では,48時間または7日以内の妊娠延長効果しか認められず,母体搬送や,経母体的ステロイド投与治療における効果発現までの待機目的での投与が推奨されている1).しかし,「妊娠37週未満に規則的子宮収縮と頸管の開大の両者を認めるもの」を切迫早産と定義する欧米の試験結果をそのまま当てはめて考えることはできず,実際本邦における切迫早産治療に関する多施設共同研究では塩酸リトドリン点滴群と子宮収縮薬未投与群とで妊娠延長期間に有意差を認める報告がなされている2).
先ごろ日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会より刊行された産婦人科診療ガイドライン─産科編2008では,切迫早産の取り扱いとして,「規則的子宮収縮や頸管熟化傾向(開大あるいは頸管長の短縮)がある場合には,切迫早産と診断し,子宮収縮抑制剤投与や入院安静などの治療を行う」ことが勧められる(推奨レベルB)とされており,適応や禁忌を適切に判断したうえで子宮収縮抑制薬を用いることが大切である3).本稿では,薬剤投与の適応と,代表的な薬剤の注意点などについて述べる.
参考文献
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