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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻1号

2009年01月発行

文献概要

今月の臨床 産科出血―診断・治療のポイント

弛緩出血

著者: 中井祐一郎1 今中基晴2

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科生殖発達医学大講座 生殖発生発育病態学 2大阪市立大学大学院看護学研究科

ページ範囲:P.74 - P.77

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はじめに

 Bloody businessと揶揄される産科医であるが,日常遭遇する多くの出血性疾患のなかで,最も多いものは弛緩出血であろう.しかしながら,後述するように定義の曖昧さもあるために,厳密な鑑別診断をするまもなく対処する必要があることから,正確な発生頻度すらわかっているとはいえないのが現状である.本稿では,その診断上の問題点を含めて整理し,合理的な対応方法を考えてみたい.

参考文献

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14) 菊池真理子,板倉敦夫,西林 学 : 産科DICに対するフィブリノゲン製剤投与の試み.産婦児血液誌18 : S45,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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