文献詳細
今月の臨床 産科出血―診断・治療のポイント
文献概要
はじめに
胎盤ポリープとは,分娩,流産,妊娠中絶などの後に子宮内に遺残した胎盤が変性,フィブリン沈着,硝子化を伴い器質化しポリープ状に増大したものである.妊娠終了後にも断続的に性器出血がみられ,大量出血を起こすこともある.妊娠終了後,数日から数週間で発症することが多いが,分娩後,何年か経過して発症したとの報告もある1).
胎盤ポリープの原因として癒着胎盤は重要である.このため,胎盤絨毛の子宮筋層内への侵入を容易にする子宮内膜損傷を起こす子宮手術,また胎盤遺残の起こりやすい子宮腔の形態異常,副胎盤や分葉胎盤などは癒着胎盤を起こしやすく,胎盤ポリープ発生のリスク因子になると考えられる.
子宮内腔に遺残した胎盤組織が遊離していれば,自然に排出されるか,機械的な掻爬により容易に除去されるが,血流のある胎盤ポリープに対して安易に子宮内掻爬術を行うと出血を起こす.このため,産後,流産・中絶後に胎盤遺残などの異常を早期に発見し,患者自身へも胎盤ポリープ発生のリスクを伝え,受診を促すことは重要である.
胎盤ポリープとは,分娩,流産,妊娠中絶などの後に子宮内に遺残した胎盤が変性,フィブリン沈着,硝子化を伴い器質化しポリープ状に増大したものである.妊娠終了後にも断続的に性器出血がみられ,大量出血を起こすこともある.妊娠終了後,数日から数週間で発症することが多いが,分娩後,何年か経過して発症したとの報告もある1).
胎盤ポリープの原因として癒着胎盤は重要である.このため,胎盤絨毛の子宮筋層内への侵入を容易にする子宮内膜損傷を起こす子宮手術,また胎盤遺残の起こりやすい子宮腔の形態異常,副胎盤や分葉胎盤などは癒着胎盤を起こしやすく,胎盤ポリープ発生のリスク因子になると考えられる.
子宮内腔に遺残した胎盤組織が遊離していれば,自然に排出されるか,機械的な掻爬により容易に除去されるが,血流のある胎盤ポリープに対して安易に子宮内掻爬術を行うと出血を起こす.このため,産後,流産・中絶後に胎盤遺残などの異常を早期に発見し,患者自身へも胎盤ポリープ発生のリスクを伝え,受診を促すことは重要である.
参考文献
1) 清水恵子,中塚幹也,野口聡一,他 : ハイリスクの胎盤ポリープの取り扱い : 子宮内腔形態異常に伴う胎盤ポリープの2症例.産婦実際57 : 305─311, 2008
2) Miller DA, Chollet JA, Goodwin TM : Clinical risk factors for placenta previa─placenta accreta. Am J Obstet Gynecol 177 : 210─214, 1997
3) Clark SL, Koonings PP, Phelan JP : Placenta previa/accreta and prior cesarean section. Obstet Gynecol 66 : 89─92, 1985
4) 佐々木愛子,中塚幹也,野口聡一,他 : 反復帝王切開術後の瘢痕部妊娠から胎盤ポリープを発症した1症例.現代産婦人科56 : 127─132,2007
5) 亀田 隆,宮本愛子 : 胎盤ポリープの画像診断.超音波,カラードップラー,MRIの比較.産婦治療76 : 607─611, 1998
6) Nagayama M, Watanabe Y, Okumura A, et al : Fast MR imaging in obstetrics. Radiographics 22 : 563─582, 2002
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