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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻1号

2009年01月発行

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編集後記 フリーアクセス

著者: 神崎秀陽

ページ範囲:P.104 - P.104

文献概要

 今年の3月で臨床研修制度に関する移行措置が廃止されます.指導医資格の臨床経験年数は5年以上から7年以上となり,プログラム責任者および指導医の要件として,平成16年3月に厚生労働省から公布された「医師の臨床研修に係わる指導医講習会の開催指針」に則り16時間以上と規定されている,いわゆる指導医養成講習会の修了が必須となります.厚生労働省は研修指定病院や募集定員の見直しを行うとも言明しており,各地域の厚生局を通じて過去5年間の研修指定病院における研修実態を調査しています.先日,厚生労働省の「臨床研修審査専門官」なる人物から,移行措置廃止後の研修制度の見通しなどの話を聞く機会がありました.2年以上研修実績がない管理型病院や協力型施設は自動的に研修指定から除外されますし,研修プログラムから逸脱した研修を行っている施設への指導,定員枠削減,補助金減額などが予定されています.今年から産婦人科などの必修科目について,3か月以内であれば1年目で行うことが認められましたが,大臣が発言した研修期間の短縮(2年から1年)などについては,共用試験と国家試験のあり方,クリニカルクラークシップの問題点など医師育成政策を総合的に見直す延長線上のものとして,文部科学省と厚生労働省が合同で検討する将来課題の1つと捉えられているようです.

 国からの教育指導経費としての臨床研修補助金は,平成20年度では年161億円で,平成17年の182億円からは20億円も減額されました.施設によって多少の差はありますが,指導経費であり人件費ではないという建前に則って研修医1人当たりで年100万円程度の公的補助があるに過ぎません.多額の経費(研修医給与)と大きな指導医負担を各研修施設に押し付けているにもかかわらず,指定施設や指導医への締め付けを強めようとする国の姿勢には,疑問よりむしろ怒りを感じています.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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