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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻12号

2009年12月発行

雑誌目次

今月の臨床 QOLを考慮した婦人科がん治療 【妊孕能温存】

1.子宮頸部微小浸潤扁平上皮癌の子宮温存の適応と限界

著者: 寺井義人 ,   佐々木浩 ,   恒遠啓示 ,   田中良道 ,   関島龍治 ,   藤岡聡美 ,   金村昌徳 ,   大道正英

ページ範囲:P.1486 - P.1489

はじめに

 近年の初交年齢の低下や若年者の性行為の活発・多様化により,子宮頸部病変の若年化傾向が顕著となってきた.一方で,集団検診や定期検診の普及に伴って進行子宮頸癌が減少した反面,頸部異形成や上皮内癌,微小浸潤癌が増加し,これら初期癌に対する管理や治療の重要性が高まりつつある.そこで本稿では,子宮頸部微小浸潤癌の病変の管理・治療法について,妊孕能温存を考慮した子宮温存の適応と限界と,妊娠に合併した子宮頸部微小浸潤癌の管理・治療法について解説したい.

2.子宮頸部上皮内腺癌,微小浸潤腺癌の子宮温存の適応と限界

著者: 森岡幹 ,   九島巳樹 ,   岡井崇

ページ範囲:P.1491 - P.1494

はじめに

 子宮頸癌は,ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus : HPV)による関与が明らかにされてからは,ハイリスクHPVによる性行為感染症であるととらえられている1).近年,子宮頸癌は増加傾向にあり,また,若年者の性行動の時代的変化により特に20代,30代の増加率が高い.子宮頸癌の発症年齢の若年化と晩婚化による出産年齢の高齢化により,子宮温存治療が求められる場面が増加している.2007年度子宮頸癌患者年報によると,0期+I期が子宮頸癌全体の77.3%を占め,円錐切除施行率が0期で77.2%,Ia期で51.1%と明らかに増加してきており2),子宮温存の適応が広がっていることがみてとれる.

 子宮頸癌初期病変の子宮温存の適応は,子宮頸癌治療ガイドライン3)に具体的に記載されており,以前に比べ治療方針が明確にされてきている.しかし,子宮頸部腺癌についてはその病理組織像のみならず,組織発生,生物学的特性など不明な点が多い.

 ここで若干の文献的考察を加え,子宮頸部上皮内腺癌,微小浸潤腺癌の妊孕性温存の適応について述べる.

3.広汎性子宮頸部摘出術の適応と限界

著者: 西尾浩 ,   藤井多久磨 ,   仲村勝 ,   岩田卓 ,   青木大輔

ページ範囲:P.1495 - P.1499

はじめに

 近年,若年者の子宮頸癌患者の増加に加え,晩婚化・高齢妊娠などの社会的背景が重なり,妊孕能温存治療が望まれる例が増加する傾向にある.2007年版「子宮頸癌治療ガイドライン」1)や米国National Cancer Institute(NCI)2)のガイドラインにあるように,臨床進行期Ia1期で,脈管侵襲などのリスク因子の少ない微小浸潤扁平上皮癌に対する術式としては,子宮頸部円錐切除術を行うことについては広くコンセンサスが得られている.しかしながら,それ以上の進行病変に対しては原則として広汎子宮全摘出術が推奨されており,手術により妊孕能を温存することが難しくなる.また,近年増加傾向にある子宮頸部腺癌に関しては,妊孕能温存の対象となるのは,妊孕能温存を希望するIa期症例のみで,やはり根治的な子宮全摘出術が標準治療とされている1)

 このような状況のなかで,広汎性子宮頸部摘出術(radical trachelectomy)は,本来ならば根治手術の対象となる,Ia2期からIb1期の浸潤子宮頸癌症例に対する妊孕能温存術式として1987年にフランスの故Dargent 3)によって広く紹介された術式である.Schautaの腟式子宮頸部摘出術を基本とするこの術式は,やがて腹式でのアプローチでも行われるようになり,現在では,日本を含めいくつかの施設で取り入れ始められている3~14).今回,この広汎性子宮頸部摘出術に関して自験例の検討も含め,その適応を中心に概説する.なお,radical trachelectomyの邦訳に関しては,安藤ら6)が本邦で最初に「広汎性子宮頸部摘出術」として紹介したことから,ここでもそれに倣い記述した.

4.子宮体癌の子宮温存療法の適応と限界

著者: 上坊敏子 ,   今井愛 ,   西井文乃 ,   海野信也

ページ範囲:P.1501 - P.1508

はじめに

 子宮体癌治療ガイドライン1)に明記されているように,子宮体癌に対する治療では子宮摘出が基本である.日本産科婦人科学会婦人科腫瘍委員会の報告2)でも,子宮体癌症例の95.7%が子宮摘出を含む手術療法を受けている.一方,挙児希望のある若年女性に体癌が発生した場合には,子宮摘出に代わる妊孕能温存療法が強く希望される.体癌に対する代表的な妊孕能温存療法は,プロゲスチン療法である.しかし,プロゲスチン療法の適応と投与の実際は確立されていないのが現状で,子宮体癌治療ガイドライン3)でも,若年体癌に対するプロゲスチン療法に関して「内膜に限局していると考えられる高分化型類内膜腺癌で妊孕性温存療法として有用なことがある」とする一方で,「若年体癌のすべてが保存的治療を考慮される内膜限局G1類内膜腺癌ではないことを認識しておく必要があり」,「的確な病理学的,臨床的診断に基づいて慎重にその適応を検討する必要がある」と記載されている.

 現実には子宮体癌の増加に伴って若年体癌症例も増加していて,妊孕能温存療法を求められる機会が多くなっている.実際にプロゲスチン療法を開始したものの,効果の判定や治療中止のタイミングに苦慮している産婦人科医も少なくないようである.本稿では,medroxyprogesterone acetate(MPA)を投与した体癌自験例43例の成績を報告するとともに文献的考察を加えて,子宮体癌に対する子宮温存療法の適応と限界を考察する.

5.上皮性卵巣癌の妊孕性温存療法の適応と限界

著者: 長尾昌二 ,   岩佐紀宏 ,   藤原恵一

ページ範囲:P.1509 - P.1515

はじめに

 妊孕性温存を望む上皮性卵巣癌患者を診療する機会は初婚年齢の高齢化とともに今後もますます増加することが予想される.妊孕性の維持には子宮および少なくとも片側の正常卵巣の一部を温存しておくことが必要であるが,その代償として縮小手術にならざるを得ず,手術の根治性とstagingの精度を犠牲にする可能性がある.上皮性卵巣癌に対する妊孕性温存療法に関したデータは少なく,十分なコンセンサスを得られていないのが現状である.

6.胚細胞性卵巣腫瘍の妊孕性温存療法の適応と限界

著者: 中原健次 ,   関口真紀 ,   倉智博久

ページ範囲:P.1517 - P.1523

はじめに

 卵巣の胚細胞腫瘍(germ cell tumor)に関して,日本産科婦人科学会と日本病理学会(1990年)では,WHO分類に基づいて分類し,それぞれさらに良性,境界悪性および悪性腫瘍に分けて提示している1)(表1).このなかの悪性腫瘍は,全卵巣悪性腫瘍の5%未満の腫瘍群であるが,その頻度以上に重要な臨床的特徴を持つ(表2).

 悪性胚細胞腫瘍(malignant germ cell tumor)は,1970年代までは致死的な腫瘍であったが,術後の化学療法がVAC療法,PVB療法そしてBEP療法を経て予後が飛躍的に改善したことにより,現在では妊孕性温存手術が標準的とされている1)

 進行した悪性胚細胞腫瘍,特に卵黄嚢腫瘍(yolk sac tumor : YST)ではBEP療法でも予後不良のことがあり,化学療法中も慎重な経過観察が必要である.ブレオマイシンの総投与量が300mgを超えると間質性肺炎の頻度が上昇すること2),またエトポシドの総投与量が2,000mg/m2を超えると二次性発がんの可能性が増大する1)ので,BEP療法(1コース当たりブレオマイシン約90mg,エトポシド約750mg)の許容コース数は原則として4コースまでが妥当である.

 以下,本邦の卵巣がん治療ガイドラインを基にまとめを行い,その後悪性胚細胞腫瘍の臨床的特徴について述べ,最後にいまだ予後不良とされる卵黄嚢腫瘍についてまとめてみたい.

【機能温存・副作用軽減】

1.婦人科がん手術における卵巣温存

著者: 津田尚武 ,   牛嶋公生

ページ範囲:P.1525 - P.1531

卵巣摘出のもたらす影響

 本邦における悪性疾患の罹患数は増加の一途をたどっており,若年者の罹患数も増加している.一般的に固形腫瘍においては,原発巣の切除が治療の原則であるが,婦人科で取り扱う臓器は直接妊孕性と関係しており,根治的切除は妊孕性の喪失を意味する.また,性成熟期女性において卵巣の摘出は,妊孕性の喪失に留まらず,エストロゲン欠乏に伴うのぼせ,発汗,性交障害,うつといった卵巣欠落症状,将来の骨粗鬆症や高脂血症に伴う虚血性心疾患などの悪影響をもたらす.術後のQOLを維持するためには卵巣の温存が必要であるが,治療成績を下げることなくQOLの維持が可能であるかどうかを十分に吟味する必要がある.本稿では,代表的な婦人科悪性腫瘍(子宮頸がん,子宮体がん,卵巣がん)における最近の文献,および治療ガイドラインより,卵巣温存の適応に関して考察してみたい.

2.広汎子宮全摘術における神経温存術式―下腹神経をメルクマールとした広汎子宮全摘術

著者: 高倉賢二 ,   樋口壽宏 ,   小西郁生 ,   藤井信吾

ページ範囲:P.1533 - P.1539

はじめに

 広汎子宮全摘術は岡林秀一により確立され(岡林術式),その基本理念は子宮頸癌の浸潤様式を考慮し,子宮を支持している靱帯をできるだけ遠位部で切断して子宮を摘出することにある1).そのためには,前部(膀胱子宮靱帯の前層と後層),中部(基靱帯),後部(仙骨子宮靱帯と直腸腟靱帯)の3つの子宮支持靱帯を正確に分離する必要がある.基靱帯は,直腸側腔と膀胱側腔を開放することで明瞭となり,安全に処理することができる.膀胱子宮靱帯前層を剥離・切断することで膀胱と尿管を子宮および腟管から分離させ,さらに膀胱子宮靱帯後層を切断すると,膀胱は完全に腟管から分離され,腟管を切断したいと思う位置まで剥離・切断することができる.また,リンパ節を系統的に郭清することにより,転移した病巣も含めて広範囲に病巣を切除することがこの術式の基本的な考え方である.今日まで,その基本は何ら変わっていないが,術中術後の合併症を軽減するために種々の工夫がなされている.そのキーワードは出血回避と神経温存であり,本稿では,神経温存について主に述べる.

3.婦人科がん術後の排尿・排便・性交障害

著者: 宇津木久仁子

ページ範囲:P.1541 - P.1547

はじめに

 婦人科癌の手術後に起こる可能性のある後遺症のなかでも,広汎子宮全摘術後の排尿障害,リンパ節郭清術後のリンパ浮腫は,患者が最も発症を危惧する後遺症である.術後の後遺症に対し,婦人科腫瘍専門医たちは,いかにその出現を減少させることができるかと,日々手術法の工夫を行っている.筆者がしばしば気になるのは,患者のQOLにかかわるこれらの後遺症の出現頻度は,実は医師はよくわかっていない,あるいはそのような統計が少ないということである.外見上,再発もなく健康を取り戻したかのような患者が,実は尿の失禁や便の失禁をすることがあるということすら,本人の訴えがない限りわからないのである.

 本稿では,特に本人しか知らない後遺症,つまり排尿・排便・性交障害に関する術後の後遺症について,2001年に行った調査結果を中心に述べる.

4.婦人科がん術後のイレウス

著者: 上垣憲雅 ,   板持広明 ,   紀川純三

ページ範囲:P.1549 - P.1551

はじめに

 近年の化学療法や放射線療法の進歩はめざましいものの,婦人科がん治療の基本は手術である.卵巣癌,子宮体癌,および子宮頸癌治療ガイドラインでは,手術療法が基本的な治療法となっている1~3).卵巣癌や子宮体癌では,傍大動脈リンパ節の郭清が標準術式となり,子宮頸癌においても頸部腺癌の増加に伴い,進行症例に対する手術も試みられるようになった.

 一方,周術期合併症は入院期間の延長による診療費の高騰に直結し,欧米では重要な課題と捉えられているのに対し,保険診療を前提とするわが国では関心が低い現状にあった.しかしながら,術後のQOL向上やDPC導入による医療経済からも周術期合併症の予防ならびに管理は重要となってきた.婦人科医にとって,外科的手技の習得とともに,周術期の管理は必須となる.なかでも,術後イレウスは比較的高頻度に発生し,ときに重篤な結果を招く.本稿では,婦人科がん術後のイレウスについて概説する.

5.リンパ浮腫,リンパ嚢胞を予防する術式と対応

著者: 佐々木寛 ,   飯田泰志 ,   武石明精

ページ範囲:P.1553 - P.1556

はじめに

 リンパ浮腫とはリンパ管やリンパ節の先天的な発育不全,または二次的な圧迫,狭窄,閉塞などによってリンパ流の阻害と減少のために生じた浮腫である.主として四肢にみられ,原因不明の原発性と原因が明らかな続発性に分けられる.リンパ浮腫の80%以上は続発性であり,続発性下肢リンパ浮腫のおもな原因は婦人科手術におけるリンパ節郭清である.婦人科癌におけるリンパ節郭清の範囲は子宮頸癌では骨盤内,子宮体癌および卵巣癌では骨盤内から傍大動脈に及ぶ.婦人科癌におけるリンパ節郭清の基本概念は血管を剥き出しながらリンパ節をすべて切除することである.リンパ浮腫は重症化すれば発赤,疼痛や蜂窩織炎などにより歩行障害を引き起こして日常生活を著しく妨げる.患者はQOLが低下し,またボディイメージを損ねることにより,精神的な苦痛を受ける.がん治療の成績が向上する一方,このような術後の合併症を回避しQOLを向上させることは急務といえる.従来,下肢リンパ浮腫について術後治療は行われてきたが,効果の期待できる予防的な術式は確立されていないのが現状である.今回われわれは厚生労働省助成第3次がん克服10か年戦略事業(QOL改善を目指した外科療法の開発),下肢リンパ浮腫の予防手術(子宮体癌における大腿リンパ管・細静脈吻合による術後リンパ浮腫予防手術)について報告する.

6.QOLを考慮した化学療法

著者: 清水敬生

ページ範囲:P.1558 - P.1565

はじめに

 婦人科領域の代表的な悪性腫瘍である,子宮頸癌,内膜癌,卵巣癌,卵管癌はいずれもplatinum化学療法(化療)に対して感受性を有する(platinum-sensitive).卵巣癌はplatinum併用化療に対する感受性が最も高いと考えられているが,必ずしも正しくない.筆者らが1980年代から指摘してきたごとく,組織型により化療に対する感受性が明確に(極端に)異なる疾患である.すなわち,漿液性,類内膜,移行上皮癌はplatinum-sensitiveで奏効率90%以上(移行上皮は最も感受性が高く,cisplatin単剤の奏効率はほぼ100%),粘液性,明細胞はplatinum-refractory(耐性)でplatinum化療に対する奏効率は限りなく0%に近い1, 2).後述するごとくGynecologic Oncology Group(GOG)を中心としたmega trialsから導き出された(結果ではなく)結論に基づき,最近10年以上にわたり,組織型に無関係に卵巣癌の1st regimen(第一選択regimen)はpaclitaxel-carboplatin(TC)とされている3, 4).GOGによると,卵巣癌のkey agentsはcisplatinとcarboplatinであり,生存期間を指標にした効果は同等で,副作用の点で後者が使いやすいというコンセンサスがある3, 4).Paclitaxel単剤はkey agentにはなり得なかった(GOG 132)5).それでもTCが今日まで1st lineとして広く使用されているのはGOGのpolitical powerによるものと考えられる.しかしながら,彼らのデータ(エビデンス)を忠実に解釈すると,抗腫瘍効果,副作用の両面から,卵巣癌のkey agentはcisplatinであり,carboplatinはoptionとするのが妥当である4).頸癌ではcisplatin(optionとしてcarboplatin),内膜癌ではcisplatinとanthracycline(adriamycin, epiadriamycin)がkey agentsである.

 さて,「QOLを考慮した化療」というテーマからイメージされることは,1)初回regimenあるいはprotocolの違い(同一regimenで投与法が異なる)によるQOLの比較,2)手術とplatinum併用化療6サイクル以上による初回治療後の残存,再発に対する2次治療における薬剤選択,あるいは投与法の工夫,3)治療のタイミングに無関係に,薬剤投与量減量,あるいは投与間隔延長による副作用軽減,その結果としてQOL低下の軽減,などであろう.しかしながら,これらの議論の前に,化療の本来の目的が「腫瘍細胞のtotal cell kill」にあることを忘れてはならない.根治すれば,化療中および直後の一時的QOLの低下は,致命的後遺症を残さない限り問題にはならない.再発例であっても,二次的化療が奏効し,化療のみで,あるいはその後に手術を追加し,寛解,治癒する例も稀ではない.本稿では,再発例も含め,寛解,治癒の可能性が少しでもある症例に対して実施されるplatinum化療に関して,QOLを考慮した化療について論じたい.

7.QOLを考慮した放射線療法

著者: 戸板孝文 ,   玉城稚奈 ,   有賀拓郎 ,   粕谷吾朗 ,   小川和彦 ,   垣花泰政 ,   村山貞之

ページ範囲:P.1566 - P.1571

はじめに

 放射線治療は,臓器を切除せずがん細胞を選択的に根絶する治療法で,形態機能温存に優れた治療法である.例えば頭頸部領域の癌においては,外科的切除により発声・嚥下・構語などの日常生活における重要な機能が損なわれ,治療後の患者の生活の質(QOL)に重大な影響を与える.そのため特に早期例に対しては古くから放射線治療が適用され,さらに近年は化学療法を組み合わせた機能温存治療の研究が急速に進んでいる.

 婦人科がんにおいても,特に子宮頸癌は放射線治療に感受性の高い扁平上皮癌が多く,欧米では切除不能の局所進行例のみならず,I,II期の早期例に対しても放射線治療が行われ,優れた治療成績が報告されてきた.イタリアにて行われた無作為比較試験にて手術と根治的放射線治療による治療成績に差がないことが示され1),米国のガイドラインのみならず2007年秋にわが国で出版された子宮頸癌治療ガイドラインにおいても根治的放射線治療は治療法のオプションとして提示されている2)

 しかし本邦では長らく切除可能例に対しては広汎子宮摘出術が第一選択とされてきた.わが国の婦人科腫瘍医の努力により安定した手術成績がどこでも得られることが主な理由と考えられるが,もう1つの大きな理由として,放射線治療の治療結果への不安,特に合併症への危惧が挙げられる.特に放射線治療において数か月から数年の時間を経て発生する晩期合併症は,いったん起こると難治性であることが多く,患者のQOLに重大な影響を与える.また手術後には再発予防を目的とした術後照射が広く行われてきたが,手術単独と比較して晩期合併症の頻度が著しく高まることが問題視されてきた.

 この約10年間に局所進行例に対する同時化学放射線療法(concurrent chemoradiotherapy : CCRT)の有用性に関するエビデンスが続々発信されてきた3).術後補助療法としても術後照射および術後のCCRTが有用であることが明らかにされた.一方,放射線治療に化学療法を加えることにより急性期有害事象が増強することも示され,晩期有害事象の増加も危惧されている3).このような状況のなかで,有効性が明らかな放射線治療を患者のQOLを損なうことなく安全に適用していくことが今後の重要な課題と考えられる.

 本稿では婦人科がん特に子宮頸癌について,QOLを重視した放射線治療の実現に向けた研究の方向性と現状について紹介したい.

8.婦人科がんの内視鏡下手術

著者: 岡賢二 ,   芦田敬 ,   塩沢丹里

ページ範囲:P.1573 - P.1579

はじめに

 現在わが国において腹腔鏡手術は主に付属器腫瘍,子宮筋腫,子宮内膜症などの良性疾患を対象として施行されている.しかし世界的にはすでに20年以上も前から悪性疾患に対する導入が試みられており,最近ではその適応がさらに拡大する傾向を見せている.内視鏡下手術では術後回復が早いため患者のQOLの改善が期待できるのみならず,後療法も速やかに行えるが,この利点を生かすためには開腹手術と同等の根治性を確保することが大前提となる.近年の内視鏡下手術手技および手術器具の進歩は,従来非常に困難と思われていた高度な手術を可能としつつあるといえるが,その一方でそれらの手技はやはりまだ一般的とは言い難く,一部のエキスパートによって行われていると言わざるを得ない.本稿では婦人科癌に対する内視鏡手術の歴史,および現況について記載する.

連載 産婦人科PET 何を考えるか?・8

骨盤内腫瘤の精査

著者: 岡村光英

ページ範囲:P.1481 - P.1485

 80歳女性.5年前から血尿,蛋白尿,糖尿病で通院中.

 2週間前に淡赤色帯下に気づき,近医を受診した.子宮体部の細胞診の結果は,悪性の所見であるが変性の強い細胞で上皮系か間葉系かは判定できなかった.頸部/腟部の細胞診はclass IIIaであった.

 当院産婦人科を紹介され,超音波検査にて骨盤内に17×12cm大の子宮の充実性腫瘤が認められた.血液検査ではLDHが687U/lと高値で,アイソザイムではLDH3/LDH 1比が正常参考値を超えていた.腫瘍マーカーとしては,SCC抗原が1.8ng/ml,CA125が79U/mlと高値を示し,CEA,CA19─9はおのおの0.9ng/ml,29U/mlと正常範囲内であった.骨盤内腫瘤の精査と全身検索のため,FDG PET/CTとMRIが施行された.

教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・49

婦人科疾患との鑑別が困難であったGISTの2症例

著者: 北田文則

ページ範囲:P.1580 - P.1585

症例1

■患者 81歳

■主訴 貧血,体重減少

■既往歴

 34歳 : 子宮外妊娠手術,41歳 : 腸閉塞手術

■現病歴

 急激な貧血進行(1か月でHbが13.7g/dlから6.5g/dlに)と体重減少(2か月で4kg減少)で,個人内科医院から当院外科へ紹介.消化管精査は異常なく,CTで腹部に10cmの腫瘤を認め,子宮筋腫,卵巣腫瘍を疑われ当科紹介となった.

サクラの国のインドネシア・5

虎の門マフィアによる解説

著者: 東梅久子

ページ範囲:P.1586 - P.1587

虎の門マフィア

 ある日,地下鉄の駅のスタンドで何気なく手にした新聞のコラムに目が止まった.5月8日付日本経済新聞,あすへの話題,「虎の門マフィア」.石油資源開発副社長(現・石油資源開発社長)渡辺修氏によるものである.

 マフィアとは穏やかでないと思いながら見ると,虎の門病院とあって驚いた.確かにコラムのタイトルは虎の門マフィアであって虎ノ門マフィアではない.地名は虎ノ門であるが病院名は虎の門病院である.

病院めぐり

NTT東日本札幌病院

著者: 西川鑑

ページ範囲:P.1588 - P.1588

 NTT東日本札幌病院は,札幌市のほぼ中心部に位置しています.病院前には市電の停留所があり,地下鉄駅からも至近距離で交通の便もよいことから,札幌市内全域,さらには市外からも多くの患者さんがいらっしゃいます.隣には札幌医科大学があり,電車通りを挟んだ向かい側には大きな脳外科の病院があり,病院銀座(?)の一角をなしています.

 当院は1922年に札幌逓信診療所として開設され,1954年に産婦人科が設置されております.2000年には新病院が完成し,道内ではいち早く電子カルテを導入しました.現在は301床.75人の医師,14人の研修医が働いています.かつては月に80件以上の分娩を取り扱い,6人の常勤医がいた当院も,産婦人科医の深刻な不足により,3人にまで削減され,存亡の危機の時代もありました.現在は4名の常勤医(7月現在,秋からは5名に増員予定)と1名の非常勤医で診療に当たっています.

症例

巨大傍卵巣嚢胞の1例

著者: 佐藤賢一郎 ,   森下美幸 ,   鈴木美紀 ,   水内英充 ,   水内将人 ,   鈴木美和 ,   松浦基樹 ,   北島義盛 ,   塚本健一 ,   藤田美悧

ページ範囲:P.1589 - P.1593

 傍卵巣嚢胞は,卵巣腫瘍と比較して通常はそれほど大きくなることは少ないとされる.今回,われわれは閉経後に発生した4.5kgの巨大な傍卵巣嚢胞の1例を経験した.

 症例は74歳(閉経57歳),内科でのスクリーニングで骨盤内腫瘍が認められ,精査の目的で当科を紹介された.臍上に及ぶ腹部嚢胞性腫瘤を認め,諸検査の結果より卵巣嚢胞性腫瘍(良性疑い)と診断し,手術を施行したところ,4.5kgの左傍卵巣嚢胞であった.

 閉経後例では,手術時に傍卵巣嚢胞であった場合に卵巣を摘出するかどうかの問題が生じる可能性があり,術前診断は意義があるものと思われる.本例を後方視的にみると,被膜が非常に薄く軟らかいため骨盤や脊柱の形に沿った形態を示していることが傍卵巣嚢胞の鑑別診断の一助となるのでははないかと思われた.

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編集後記

著者: 倉智博久

ページ範囲:P.1600 - P.1600

 本誌編集委員の岡井崇先生が書かれた「ノーフォールト」を原作とするテレビドラマが放映されています.医学部の学生や研修医に聞いてみますと,ほとんどの人たちが見ていると答えてくれます.本当に多忙な岡井先生が小説を書かれた背景を考えますと,この番組の人気の高さを大変心強く,また,嬉しく思っています.

 画面の一場面,一場面で,藤原紀香扮する主人公がこんな態度で研修医に当たったら産婦人科の教育体制が「こんなものか」と感じられはしないか?こんなに救急患者が続いたら学生は「こんなにリスキーで,忙しすぎるのが産婦人科の現場なのか」と思って敬遠しないだろうか?などと余計な心配をし,失礼ながらはらはらしながら見ています.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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75巻4号(2021年4月発行)

増刊号 産婦人科患者説明ガイド―納得・満足を引き出すために

75巻3号(2021年4月発行)

今月の臨床 女性のライフステージごとのホルモン療法―この1冊ですべてを網羅する

75巻2号(2021年3月発行)

今月の臨床 妊娠・分娩時の薬物治療―最新の使い方は? 留意点は?

75巻1号(2021年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 生殖医療の基礎知識アップデート―患者説明に役立つ最新エビデンス・最新データ

74巻12号(2020年12月発行)

今月の臨床 着床環境の改善はどこまで可能か?―エキスパートに聞く最新研究と具体的対処法

74巻11号(2020年11月発行)

今月の臨床 論文作成の戦略―アクセプトを勝ちとるために

74巻10号(2020年10月発行)

今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで

74巻9号(2020年9月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅱ)―母体合併症の影響は? 新生児スクリーニングはどうする?

74巻8号(2020年8月発行)

今月の臨床 産婦人科医に最低限必要な正期産新生児管理の最新知識(Ⅰ)―どんなときに小児科の応援を呼ぶ?

74巻7号(2020年7月発行)

今月の臨床 若年女性診療の「こんなとき」どうする?―多彩でデリケートな健康課題への処方箋

74巻6号(2020年6月発行)

今月の臨床 外来でみる子宮内膜症診療―患者特性に応じた管理・投薬のコツ

74巻5号(2020年5月発行)

今月の臨床 エコチル調査から見えてきた周産期の新たなリスク要因

74巻4号(2020年4月発行)

増刊号 産婦人科処方のすべて2020―症例に応じた実践マニュアル

74巻3号(2020年4月発行)

今月の臨床 徹底解説! 卵巣がんの最新治療―複雑化する治療を整理する

74巻2号(2020年3月発行)

今月の臨床 はじめての情報検索―知りたいことの探し方・最新データの活かし方

74巻1号(2020年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 周産期超音波検査バイブル―エキスパートに学ぶ技術と知識のエッセンス

73巻12号(2019年12月発行)

今月の臨床 産婦人科領域で話題の新技術―時代の潮流に乗り遅れないための羅針盤

73巻11号(2019年11月発行)

今月の臨床 基本手術手技の習得・指導ガイダンス―専攻医修了要件をどのように満たすか?〈特別付録web動画〉

73巻10号(2019年10月発行)

今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで

73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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