文献詳細
今月の臨床 性感染症up to date
【性感染症への対応と治療】
3.周産期におけるHIV/エイズ,その現状と対策─厚労省研究班の成績をもとに
著者: 稲葉憲之1 大島教子1 西川正能1 岡崎隆行1 庄田亜紀子1 根岸正実1 林田志峯1 稲葉未知世1 和田裕一2 喜多恒和2 外川正生2 塚原優己2 名取道也2 牛島廣治2 戸谷良造2 五味淵秀人2 早川智2 尾崎由和2 吉野直人2 田中憲一2 熊曙康3
所属機関: 1獨協医科大学医学部大学院・産科婦人科学講座 2厚労省 3大連医科大学婦産科
ページ範囲:P.151 - P.155
文献概要
わが国におけるHIV感染は近年増加傾向にあり,この傾向は先進国のなかでは唯一の例外である.特に女性感染者の増加が顕著であり,感染妊婦も2003年以降増加傾向にあった.2007年には妊婦のHIV感染増加はようやく漸減傾向に移行したが,大きな国家的・社会的・医学的問題であることに変わりはない.われわれは厚生労働省エイズ対策研究事業の研究班として若年女性・妊婦のHIV感染,ならびにHIV母子感染ゼロを目指して,①周産期におけるHIV感染対策の現状把握,②日本の国情に合致した最も有効な母子感染防止対策の確立と標準化,③HIV母子感染およびその対策に関する医療関係者のみならず一般国民に対する啓発教育・広報活動の推進を一貫して行ってきた.
以下,わが国の周産期におけるHIV感染妊婦の動向,母子感染の実状をまず紹介し,次いで具体的な対策について考察する.したがって,「対応と治療」とは若干異なることをお許し願いたい.
参考文献
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