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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻2号

2009年02月発行

今月の臨床 性感染症up to date

【性感染症への対応と治療】

6.淋菌

著者: 松本哲朗1

所属機関: 1産業医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.166 - P.169

文献概要

はじめに

 淋菌(Neisseria gonorrhoeae)はクラミジア・トラコマティスとともにきわめて重要な性感染症病原体であり,淋菌感染症はいまだに中心的な性感染症である.尿道炎,子宮頸管炎をはじめとして,咽頭,結膜,直腸など広い範囲で感染症を起こし,薬剤耐性菌が増加し,診断・治療上の問題点が指摘されている.厚生労働省が行っている定点調査によると,わが国ではクラミジア感染症も淋菌感染症も2002年から2003年にかけてピークを迎え,その後やや減少傾向にある.

 淋菌感染症は,図1に示すように尿道炎・子宮頸管炎をはじめとして,精巣上体炎,前立腺炎,直腸炎,骨盤内感染症(PID),咽頭感染,結膜炎,播種性淋菌感染症などを惹起する.最近の傾向として,尿道炎,子宮頸管炎などの性器の感染症に加え,性器外の感染症が増加している.特に,淋菌の咽頭感染は,オーラルセックスを介する淋菌感染症の増加に大きな役割を演じている.また,淋菌における多剤耐性化は治療薬の減少となり,治療上の問題点になっている.

参考文献

1) 松本哲朗 : 淋菌性咽頭感染の実態と治療に関する研究,厚生労働科学研究費補助金.新興・再興感染症研究事業.性感染症に関する特定感染症予防指針の推進に関する研究.平成18年度総括研究報告書.pp121─128,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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