文献詳細
今月の臨床 性感染症up to date
【性感染症への対応と治療】
文献概要
はじめに
淋菌(Neisseria gonorrhoeae )はクラミジア・トラコマティスとともにきわめて重要な性感染症病原体であり,淋菌感染症はいまだに中心的な性感染症である.尿道炎,子宮頸管炎をはじめとして,咽頭,結膜,直腸など広い範囲で感染症を起こし,薬剤耐性菌が増加し,診断・治療上の問題点が指摘されている.厚生労働省が行っている定点調査によると,わが国ではクラミジア感染症も淋菌感染症も2002年から2003年にかけてピークを迎え,その後やや減少傾向にある.
淋菌感染症は,図1に示すように尿道炎・子宮頸管炎をはじめとして,精巣上体炎,前立腺炎,直腸炎,骨盤内感染症(PID),咽頭感染,結膜炎,播種性淋菌感染症などを惹起する.最近の傾向として,尿道炎,子宮頸管炎などの性器の感染症に加え,性器外の感染症が増加している.特に,淋菌の咽頭感染は,オーラルセックスを介する淋菌感染症の増加に大きな役割を演じている.また,淋菌における多剤耐性化は治療薬の減少となり,治療上の問題点になっている.
淋菌(
淋菌感染症は,図1に示すように尿道炎・子宮頸管炎をはじめとして,精巣上体炎,前立腺炎,直腸炎,骨盤内感染症(PID),咽頭感染,結膜炎,播種性淋菌感染症などを惹起する.最近の傾向として,尿道炎,子宮頸管炎などの性器の感染症に加え,性器外の感染症が増加している.特に,淋菌の咽頭感染は,オーラルセックスを介する淋菌感染症の増加に大きな役割を演じている.また,淋菌における多剤耐性化は治療薬の減少となり,治療上の問題点になっている.
参考文献
1) 松本哲朗 : 淋菌性咽頭感染の実態と治療に関する研究,厚生労働科学研究費補助金.新興・再興感染症研究事業.性感染症に関する特定感染症予防指針の推進に関する研究.平成18年度総括研究報告書.pp121─128,2007
掲載誌情報