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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻2号

2009年02月発行

今月の臨床 性感染症up to date

【性感染症への対応と治療】

9.性器カンジダ症(genital candidiasis)

著者: 久保田武美12

所属機関: 1あそか病院婦人科 2順天堂大学産婦人科

ページ範囲:P.176 - P.179

文献概要

はじめに

 性器カンジダ症はカンジダ属によって起こる性器の感染症である.原因となる菌種についてはC. albicansが最も多く,C. glabrataがこれに次ぐ1).女性での主な病型は腟炎,外陰炎であり,この腟炎と外陰炎は合併することが多いので,一般に外陰腟カンジダ症(vulvovaginal candidiasis)といわれている.女性特有の疾患であり,男性での罹患例は少ない.男性が罹患した場合の主な病型は亀頭包皮炎である.このところ性器カンジダ症に関しては学術的な努力が蓄積されてはいるが,大きな技術的進歩はないようである2).ただ,日本において変わった点は腟錠,腟坐剤,クリームがOTC(over the counter drug : 一般用医薬品)として検討されており,あるものは発売され,またほかのあるものは発売予定であることである.

参考文献

1) 久保田武美 : 外陰・腟真菌症とトリコモナス症.産婦の実際33 : 559─567,1984
2) Sobel JD : Vulvovaginal candidosis. Lancet 369 : 1961─1971, 2007
3) 高田道夫 : Candida症.性感染症学(熊本悦明,島田 馨,川名 尚編).医薬ジャーナル社,大阪,1990
4) 高田道夫 : 外陰・腟カンジダ症・腟トリコモナス症.皮膚科Mook, No4, STD.金原出版,東京,pp162─171,1986
5) Odds FC : Candida and Candidosis. 2nd ed. pp124─135, Baillere Tindal, London, 1988
6) Reed BD, Zazove P, Pierson CL, et al : Candida transmission and sexual behaviors as risk for a repeat episode of Candida vulvovaginitis. J Womens Health(Larchmt)12 : 979─989, 2003
7) Bradshaw CS, Morton AN, Garland SM, et al : Higher─risk behavioral practices associated with bacterial vaginosis compared with vaginal candidiasis. Obstet Gynecol 106 : 105─114, 2005
8) Eckert LO, Hawes SE, Stevens CE, et al : Vulvovaginal candidiasis : clinical manifestations, risk factors, management algorithm. Obstet Gyneccl 92 : 757─65, 1998
9) 性器カンジダ症.日性感染症会誌Suppl : 61─64,2006
10) 松田清治 : 外陰・腟の感染症.産婦人科領域感染症(岡田弘二,松田静治編).医薬ジャーナル社,大阪,1988
11) 久保田武美 : 治療抵抗性外陰腟真菌症.Jpn J Med Mycol 39 : 213─218,1998
12) Centers for Disease Control and Prevention. Sexually transmitted diseases treatment guidelines 2006. MMWR 55(No. RR─11): 1─100, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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