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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻4号

2009年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス I 不妊の検査・診断 D男性因子 【染色体検査・Y染色体微小欠失】

29.男性の染色体異常も精液所見に影響するでしょうか.また,男性不妊症があった場合は,夫の染色体検査も行うべきかどうか教えてください.

著者: 高栄哲1

所属機関: 1金沢大学医学部大学院医学系研究科(泌尿器科学)

ページ範囲:P.419 - P.421

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[1]男性不妊症における染色体異常

 男性不妊症にみられる染色体異常の第1位はクラインフェルター症候群であり,第2位はY染色体長腕上の微小欠失である(表1)1).前者は染色体検査によって,後者は特異プローブを用いたSTS(sequence tagged─site)─PCR(polymerase chain reaction)法によって診断可能である.

 精液検査において無精子症であり,さらに精巣サイズのきわめて小さい(14ml以下)場合,染色体検査は必要である.内分泌学的には高ゴナドトロピン性性腺機能低下症が多いので,ゴナドトロピンの検査も必須である.

 実際に,細胞生物学的(検査会社へ依頼できる検査)染色体検査で確認できるのは,47, XXYなどのクラインフェルター症候群をはじめとする性染色体の数の異常(その他,XX maleやXYY症候群などがあるが,きわめて稀)がある.また,性染色体の形態的異常や常染色体の転座なども確認できる.

 一方,Y染色体の微小欠失は細胞遺伝学的には検出できないが,特異プローブを選べば,患者未血から採集したゲノムDNAを用いて検出できる.

参考文献

1) Ferlin A, Arredi B, Foresta C : Genetic causes of male infertility. Reprod Tox col 22 : 133─141, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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