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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻4号

2009年04月発行

今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス

II 不妊の治療 A女性因子に対する薬物療法 【ゴナドトロピン療法】

41.体重減少性無月経患者のゴナドトロピン療法がうまくいきません.有効な卵巣刺激法について教えてください.

著者: 京野廣一1

所属機関: 1京野アートクリニック

ページ範囲:P.456 - P.457

文献概要

[1]体重減少性無月経とは

 体重減少性無月経患者(表1)は,ほとんどが第2度無月経で血中LH,FSH値が低値である.このような症例で通常の卵巣刺激のようにuFSHやrFSHを単独で投与した場合,卵胞発育不良,血中E2値低値,子宮内膜菲薄,受精率低値などの問題が多くみられる.この場合の基本的な卵巣刺激としてはFSH+LHを同時に投与するのがコツといえる.その前に,体重減少性無月経患者には適正な体重と正常な月経周期に戻るように指導することが大切である.時には正常な食生活習慣を見つけるまで食事指導をすることも必要である.神経性食欲不振症(表2)の場合には,心療内科でのカウンセリングや高カロリー輸液で栄養を補うことも考慮する.特別新しい治療はなく,重症な神経性食欲不振症になる前に心療内科的治療の必要性を早期に認識する必要がある.婦人科医師・精神科医師・栄養士によるチーム医療が有益である.

 神経性食欲不振症の発症率は近年,増加傾向にあり,思春期女子の1%と推定されている.

参考文献

1) 北岡芳久,白石 悟,田辺清男 : 排卵障害(吉村泰典 編).pp100─114,中外医学社,1999
2) 厚生労働省特定疾患 神経性食欲不振症調査研究班
3) Oskowitz SP : Treatment options I : ovulation induction. The BOSTON IVF Handbook of Infertility. Apractical guide for practitioners who care for infertile couples. Informa, pp75─84, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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