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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻4号

2009年04月発行

今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス

II 不妊の治療 A女性因子に対する薬物療法 【ドパミンアゴニスト療法】

50.ドパミン作動薬の投与期間はどれくらいがよいでしょうか.適応疾患別に教えてください.

著者: 竹下直樹1

所属機関: 1東邦大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.484 - P.485

文献概要

[1]はじめに

 ドパミンアゴニスト療法は,下垂体のプロラクチン(prolactin:PRL)産生・分泌を抑制する.したがって,排卵障害の大きな要因となる高PRL血症に対して有効な治療法である.PRLは乳汁分泌ホルモンとして認識されているが,その生理作用は多岐にわたり,全身の細胞増殖・機能に対して必須のホルモンである.PRL受容体は下垂体のみに存するのではなく,卵,胚,子宮内膜,黄体にも存在し,着床制御,卵胞発育など生殖機能に大きく影響していると考えられる1, 2).ドパミン作動薬は下垂体外のPRL産生・分泌に影響を及ぼさないため,適切な使用は生体内の内分泌環境(血清PRL濃度)を調節することが可能であると考えられる2)

 ここでは,代表的な疾患(症候)に対する,ドパミン作動薬の使用例を解説する.

参考文献

1) Bole─Foysot C, Goffin V, Edery M, et al : Prolactin(PRL)and its receptor : actions, signal transduction pathways and phenotypes observed in PRL receptor knockout mice. Endocr Rev 19 : 225─268, 1998
2) Ben─Jonathan N, Mershon JL, Allen DL, et al : Extrapituitary prolactin : distribution, regulation, functions, and clinical aspects. Endocr Rev 17 : 639─669, 1996
3) 倉智敬一,青野敏博,小池浩司 : 高プロラクチン血症例の全国調査第2次集計成績(熊原雄一班長),厚生省特定疾患間脳下垂体機能障害調査研究班昭和55年度総括研究事業報告書.pp25─39,厚生省公衆衛生局難病対策課,1981
4) 神野正雄,生方良延,佐藤 学,他 : 体外受精のための新しい卵巣刺激法(bromocriptine─rebound method) : 卵成熟の改善と妊娠率の上昇.日産婦誌47 : 1337─1344, 1995
5) Jinno M, Yoshimura Y, Ubukata Y, et al : A novel method ovarian stimulation for in vitro fertilization : bromocriptine─rebound method. Fertil Steril 66 : 271─274, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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