文献詳細
今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 A女性因子に対する薬物療法 【ドパミンアゴニスト療法】
50.ドパミン作動薬の投与期間はどれくらいがよいでしょうか.適応疾患別に教えてください.
著者: 竹下直樹1
所属機関: 1東邦大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.484 - P.485
文献概要
ドパミンアゴニスト療法は,下垂体のプロラクチン(prolactin:PRL)産生・分泌を抑制する.したがって,排卵障害の大きな要因となる高PRL血症に対して有効な治療法である.PRLは乳汁分泌ホルモンとして認識されているが,その生理作用は多岐にわたり,全身の細胞増殖・機能に対して必須のホルモンである.PRL受容体は下垂体のみに存するのではなく,卵,胚,子宮内膜,黄体にも存在し,着床制御,卵胞発育など生殖機能に大きく影響していると考えられる1, 2).ドパミン作動薬は下垂体外のPRL産生・分泌に影響を及ぼさないため,適切な使用は生体内の内分泌環境(血清PRL濃度)を調節することが可能であると考えられる2).
ここでは,代表的な疾患(症候)に対する,ドパミン作動薬の使用例を解説する.
参考文献
掲載誌情報