icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻4号

2009年04月発行

文献概要

今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス II 不妊の治療 B手術療法 【腹腔鏡下手術】

55.ART治療以前の患者が卵管水腫や卵管遠位端の閉塞を呈しています.この患者の手術方針について教えてください(温存か切除か).

著者: 菅麻里1 泉谷知明1 深谷孝夫1

所属機関: 1高知大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.503 - P.505

文献購入ページに移動
[1]はじめに

 卵管性不妊は,女性側における不妊原因の35~40%を占め,重要な不妊原因の1つである.卵管性不妊の原因として,最も多いのは卵管間質部閉塞であり,その次に多いのが卵管水腫である1).卵管水腫,卵管遠位端の閉塞を認めた場合の治療方針は,ARTと手術療法がある.ただし,ARTを選択した場合でも,妊娠率向上を期待して,ART施行前に卵管切除などの手術を行う場合がある.

 本稿では,卵管水腫と卵管遠位端閉塞の手術療法について述べる.

参考文献

1) 長田尚夫 : 低侵襲手術による卵管性不妊の治療─IVF─ETの成績向上に必要な卵管形成術.産婦人科手術18 : 107─115, 2007
2) The American Fertility Society : The American Fertility Society classification of adnexal adhesions, distal tubal occulusion, tubal occulusion secondary to tubal ligation, tubal pregnancies, Mullerrian anormalies and intrauterine adhesions. Fertil Steril 49 : 944─955, 1988
3) 浅井光興,中部 健,野口昌良 : 卵管性不妊症の手術療法とART.産婦人科治療83 : 25─29,2001
4) 長田尚夫 : 妊孕性の温存,獲得,回復を意識した手術(卵管形成術).産婦人科手術17 : 73─82,2006
5) Johnson NP, Mak W, Sowter MC : Cochrane Library : CD002125, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?