文献詳細
今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 D生殖補助医療(ART) 【黄体補充】
81.ART周期の黄体補充に関して,近年,子宮内膜症に適応となったディナゲスト®を応用できる可能性はありますか.詳しく教えてください.
著者: 原田省1
所属機関: 1鳥取大学医学部生殖機能医学
ページ範囲:P.585 - P.585
文献概要
子宮内膜症患者に2mg/日で24週間投与されると,内膜症病変の縮小や消失が観察され,同時に月経痛や骨盤痛が軽減されることが示されている1).本邦での臨床試験成績でも,子宮内膜症の月経痛や子宮可動性の制限などの自他覚所見が対照薬であるスプレキュア®と同等に改善することが示された2).
ジエノゲストを14日間反復経口投与して子宮内膜の分泌期様変化を検討すると,0.45mg/日の投与で完全な分泌期様変化が誘導され,このときの総投与量から比較すると,ノルエチステロンや酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)に比して約10~20倍の活性を有する.したがって,経口投与で子宮内膜に対する作用がきわめて強いことがわかる.
参考文献
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