文献詳細
今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 D生殖補助医療(ART) 【胚凍結】
83.胚盤胞凍結の際にAH(透明帯補助孵化法)を行う方法があると聞きました.その有用性について教えてください.
著者: 向田哲規1
所属機関: 1広島HARTクリニック
ページ範囲:P.588 - P.590
文献概要
一般的に透明帯は,媒精,人工的な培養環境によって変化を起こし,硬化する可能性があると報告されており,特に凍結融解過程は,耐凍剤への曝露,冷却(脱水)過程,LN2への曝露,LN2内での長期保存,加温(加水)過程などによって,さらに透明帯が硬化することが知られており,初期分割胚を融解後胚移植する際にAHを施行することで有意な着床率の向上が報告されている1).このため,ガラス化胚盤胞融解移植法においても,同様な機序により透明帯の硬化を生じ,孵化(hatching)が妨げられる可能性がある.
参考文献
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