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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻4号

2009年04月発行

今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス

II 不妊の治療 E男性因子に対する治療 【精索静脈瘤根治術】

90.精索静脈瘤の程度と造精障害や精液所見が必ずしも一致しないのはなぜですか.わかりやすく教えてください.

著者: 松下知彦1 岩本晃明2

所属機関: 1大船中央病院泌尿器科 2国際医療福祉大学リプロダクションセンター

ページ範囲:P.618 - P.619

文献概要

[1]精索静脈瘤と造精機能障害

 精索静脈瘤とは精索内の蔓状静脈叢が怒張,鬱血した状態である.そのため精巣内温度が上昇し,造精機能障害が発生し,精液所見の悪化の原因となるとされている.

 その他の原因として腎や副腎よりの静脈血中の代謝物質(カテコールアミン,レニン,コルチゾールなど)の逆流によって内精索静脈中にプロスタグランディンやセロトニンの濃度が上昇し,これらの物質よる障害が起きるとする説,精索静脈内の鬱血のため低酸素状態に陥り造精機能に影響するという説もある1)

参考文献

1) 三浦一陽 : 精索静脈瘤の治療手術を積極的に行うべきか.医学のあゆみ223 : 78─82,2007
2) Onozawa M, Endo F, Suetomi T, et al : Clinical study of varicosele : Statistical analysis and the results of long─term follow─up. Int Urol 9 : 455─461, 2002
3) World Health Organization : The influence of varicocele on parameters of fertility in a large group of men presenting to infertility clinics. Fertl Steril 57 : 1289─1293, 1992
4) The Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine : Report on varicocele and infertility. Fertil Steril 90 : s247─249, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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