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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻4号

2009年04月発行

今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス

IV 不育症の治療 C免疫療法 【免疫療法】

102.過去に出産歴のある患者(続発性の習慣流産)に対する免疫療法の適応について教えてください.また,抗核抗体などの自己抗体が陽性の場合も実施可能でしょうか.

著者: 藤井知行1

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科産婦人科学

ページ範囲:P.652 - P.652

文献概要

 同種免疫異常は,患者が生来保有している異常であり,2次的に発症するものではないと考えられる.したがって生児を得たあとの続発性習慣流産は本来,免疫療法の対象とはならないと考えられるが,一部の施設では,治療対象とされ実施されている.また,夫リンパ球免疫療法の副作用は,皮内注射部位の発赤,腫脹や掻痒感,感染などであるが,患者に自己免疫異常が誘導されたとの報告もある.自己免疫異常を有する患者はそれ自身が習慣流産の大きな原因であり,また,上記副作用の危険も高いと考えられ,夫リンパ球免疫療法の対象とすべきではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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