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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻7号

2009年07月発行

今月の臨床 胎児の診断と治療―最近のトピックス

【診断の最前線】

5.MRI胎児診断の進歩

著者: 川鰭市郎1

所属機関: 1長良医療センター産科

ページ範囲:P.925 - P.929

文献概要

はじめに

 胎児診断の進歩は,画像診断の進歩という言葉に置き換えることができる.超音波に代表される胎児画像診断は,産科医療を大きく変貌させてきた.聖域とも表現される子宮の中にいる胎児の様子が,まさに手に取るようにわかるようになったことは,医療者だけではなく妊婦や家族にとっても間違いなく画期的なことであった.

 しかしながら,いかに超音波装置が優れていても残念ながら万能とはいえない.胎児の位置や母体の皮下脂肪などの影響を受けて,十分な胎児情報が得られず,診断に苦慮した経験を多くの産科医はもっている.そんなときにはこういった超音波検査の弱点を補う画像診断法が必要となると考えられる.

 磁気共鳴画像(MRI)は,磁気を用いて鮮明な軟部組織の画像を得ることができる画像診断法である.近年は胎児診断においてもMRIの有用性が評価され,数多くの胎児診断症例が報告されてきている.ここでは産科診療におけるMRIの進歩の過程を振り返ってみたい.

参考文献

1) Kawabata I, Takahashi Y, Iwagaki S : MRI : Donald Textbook of Ultrasonography in Obstetrics and Gynecology, 2nd ed. pp771─779. Jaypee, New Delhi, 2007
2) 川鰭市郎,高橋雄一郎,玉舎輝彦 : MRI高速度撮像法.産と婦67 : 889─896, 2000
3) 川鰭市郎,高橋雄一郎,玉舎輝彦 : 産道計測とMRI.産婦実際49 : 1867─1872, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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