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今月の臨床 若年女性の月経異常を診る 【続発無月経2 続発無月経の治療】
3)症候性無月経
著者: 楢原久司1 古川雄一1 津野晃寿1
所属機関: 1大分大学医学部産科婦人科
ページ範囲:P.1064 - P.1069
文献購入ページに移動思春期女性の身体発育の向上に伴い,初経年齢の低年齢化,性機能の早熟化がみられる.一方,社会・生活環境の変化による視床下部・下垂体・卵巣系の機能異常あるいは器質的疾患により月経不順や続発無月経となり,外来を受診する思春期の患者も多く,的確に個々の病態を評価できるか否かは将来の妊孕性に関連し重要な問題である1).
性成熟の過程は,第二次性徴の発現,初経の発来,排卵周期の確立,第二次性徴の完成へと移行する段階的な過程であるため,月経不順,続発無月経などの月経異常が思春期に生じた際に必要な観点は,それが心身の正常な性成熟過程の個人差によるものなのか,病的なもので治療を要するものなのかを見分けることである.しかし,一般的には,その区別は困難であることが多く,病的であると判断される場合でも,その治療方法の選択に一定の見解が得られていないのが実状である.
本稿では,無月経と関連のある症候を概観し,そのうち病因的に重要であると考えられる症候性無月経を中心に,その治療および対処法を概述する.
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