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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻8号

2009年08月発行

文献概要

今月の臨床 若年女性の月経異常を診る 【続発無月経2 続発無月経の治療】

3)症候性無月経

著者: 楢原久司1 古川雄一1 津野晃寿1

所属機関: 1大分大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.1064 - P.1069

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はじめに

 思春期女性の身体発育の向上に伴い,初経年齢の低年齢化,性機能の早熟化がみられる.一方,社会・生活環境の変化による視床下部・下垂体・卵巣系の機能異常あるいは器質的疾患により月経不順や続発無月経となり,外来を受診する思春期の患者も多く,的確に個々の病態を評価できるか否かは将来の妊孕性に関連し重要な問題である1)

 性成熟の過程は,第二次性徴の発現,初経の発来,排卵周期の確立,第二次性徴の完成へと移行する段階的な過程であるため,月経不順,続発無月経などの月経異常が思春期に生じた際に必要な観点は,それが心身の正常な性成熟過程の個人差によるものなのか,病的なもので治療を要するものなのかを見分けることである.しかし,一般的には,その区別は困難であることが多く,病的であると判断される場合でも,その治療方法の選択に一定の見解が得られていないのが実状である.

 本稿では,無月経と関連のある症候を概観し,そのうち病因的に重要であると考えられる症候性無月経を中心に,その治療および対処法を概述する.

参考文献

1) Warren MP : Clinical Review 77─Evaluation of secondary amenorrhea. J Clin Endocrinol Metab 81 : 437─442, 1996
2) 中村幸雄,宮川勇生,石丸忠之,他 : 18歳以下の続発性無月経に関するアンケート調査─第1度無月経と第2度無月経の比較を中心として.日産婦誌51 : 755─761,1999
3) 広井正彦,中村幸雄,河上征治,他 : わが国思春期少女の体格,月経周期,体重変動,希望体重との相互関連について─アンケートによる.日産婦誌49 : 367─377,1997
4) 小林拓郎,柳沼 忞 : 月経異常のホルモン療法.産婦治療32 : 640─646,1976
5) 小原満雄,水沼英樹,本庄滋一郎,他 : 無月経におけるLH pulse分泌と視床下部─下垂体機能の相関に関する研究.日産婦誌42 : 29─29,1990
6) 中村幸雄 : やせと性機能─体重減少性無月経.日産婦誌42 : N83─N86,1990
7) 安藤一道,水沼英樹 : 排卵障害の症状とその治療.新女性医学体系 13(武谷雄二,青野敏博,麻生武志,他編),pp 35─49,中山書店,東京,2000
8) 日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会 : 本邦婦人における多嚢胞性卵巣症候群の診断基準設定に関する小委員会(平成17年~平成18年度)検討結果報告.日産婦誌59 : 868─886,2007
9) 楢原久司 : 排卵現象のメカニズムとその異常.日産婦誌52 : N403─N406,2000
10) 河野康志,楢原久司 : 月経異常のホルモン療法.産婦治療96 : 157─162,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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